- UBSはチェーンリンクのデジタル・トランスファー・エージェント(DTA)を活用し、トークン化されたファンドのオンチェーン償還を初めて完了した。これは100兆ドル規模のファンド業界でのブロックチェーンインフラにおける画期的な出来事だ。
- この取引には、DigiFTがオンチェーン・ディストリビューターとして参加し、イーサリアム上でトークン化されたUBSのuMINTが使用された。
- これはファンド業界における運用効率の向上と商品構成の新たな可能性の創出を目指しており、UBSのトークン化プラットフォームは主要な機能の自動化に取り組んでいる。
スイスの銀行大手UBSはチェーンリンク(Chainlink)のデジタル・トランスファー・エージェント(DTA)を用いたトークン化ファンドの初のオンチェーン償還をライブトランザクションで完了したと発表した。この取引は、ブロックチェーンインフラが100兆ドル規模の世界のファンド業界と接続し始めていることを示すものだ。
この取引には、イーサリアム(Ethereum)上に構築されたトークン化マネーマーケットファンド「UBS USD Money Market Investment Fund Token(uMINT)」が使用された。
暗号資産(仮想通貨)取引所のDigiFTがオンチェーン・ディストリビューターとして機能し、チェーンリンクのDTA標準を用いて償還を行った。UBSの内部システムがプロセスを開始し、チェーンリンクのインフラがこれを実行したとCoinDeskに共有されたプレスリリースは伝えている。
UBSのグループ最高執行責任者(COO)兼最高技術責任者(CTO)であるマイク・ダーガン(Mike Dargan)氏は次のように述べた。「この取引は、スマートコントラクト技術と技術標準がファンド運営と投資家体験をいかに向上させるかにおける重要なマイルストーンだ」。
「業界がトークン化金融を受け入れる中、この成果はこうした革新が業務効率の向上と製品の組み合わせの可能性をいかに推進するかを示している」。
この取引は、UBSがブロックチェーンベースの金融商品向けに開発した社内プラットフォーム「UBS Tokenize」による広範な取り組みの一環だ。
デジタルシステムと従来型システムを横断して注文受付・執行・決済といった主要機能を自動化することで、この技術は100兆ドル規模の世界のファンド業界における業務の複雑さと処理時間の削減を目指す。
これはチェーンリンクが既存の銀行システムを金融メッセージングネットワークのSwift経由でブロックチェーンに接続した最近の実証実験に続くものだ。
その実証実験では、チェーンリンクのクロスチェーン相互運用性プロトコルとランタイム環境を活用し、ISO 20022メッセージを用いてファンド取引を処理した。これにより、銀行はレガシーインフラを刷新することなくブロックチェーン基盤にアクセスできるようになる。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:UBS, Chainlink Execute First Onchain Tokenized Fund Redemption in $100T Market


