- フランクリン・テンプルトンは、香港のプロ投資家向けに、トークン化された米ドル建てマネーマーケットファンドを発表した。
- この導入により、同社のブロックチェーンファンドの提供範囲はアジア全域に拡大する。
- HSBCおよびOSLとの提携は、香港のトークン化エコシステムの拡大を浮き彫りにしている。
暗号資産(仮想通貨)フレンドリーな投資会社フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)は、香港の機関投資家向けにブロックチェーンベースのマネーマーケットファンド(MMF)を導入する。また、アジアでの事業拡大を目指し、個人投資家向けのバージョンも開発中だと発表した。
フランクリン・オンチェーン米国政府マネーファンド(Franklin OnChain U.S. Government Money Fund)は、アメリカ政府短期証券に投資し、その株式はトークンとして表現される。フランクリン・テンプルトンは、この構造により、従来のファンドよりも迅速な取引、透明性の向上、コスト削減が可能になると述べている。
この動きは、香港金融管理局(HKMA)がトークン化された金融を探求する取り組みである「プロジェクト・アンサンブル(Project Ensemble)」での同社の役割に基づくものだ。また、機関投資家向け暗号資産の成長拠点としての香港の地位強化にも貢献する。
フランクリン・テンプルトンのアジア太平洋地域責任者であるタリク・アフマド(Tariq Ahmad)氏は、「今回のローンチは、アジアにおけるトークン化された投資商品の拡大に向けた当社の取り組みを示すものだ」と述べた。
フランクリン・テンプルトンは、世界最大級の銀行であるHSBCと香港を拠点とする暗号資産取引所OSLと提携し、ファンドトークン「gBENJI」がオンチェーンで収益を生み出し、HSBCのトークン化された預金と連動して、24時間決済と投資家の円滑な運用を実現することを検証した。
ルクセンブルクで登録されたこのファンドは、独自のブロックチェーン記録管理システムを使用して、ファンドの株式をオンチェーン上で直接発行、分配、サービス提供している。このファンドは、欧州連合(EU)の「譲渡可能証券集団投資事業体(UCITS)」の規制に基づいている。UCITSは、投資ファンドを規制して、高いレベルの投資家保護を提供し、EU加盟国全体でこうしたファンドのための単一の調和のとれた市場を創出することを目的としている。
フランクリン・テンプルトンは2018年からブロックチェーン金融に積極的に取り組み、いくつかのトークン化されたファンドを立ち上げ、香港での新製品の基盤となるBenjiテクノロジープラットフォームを開発した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Franklin Templeton Debuts Tokenized Money Market Fund in Hong Kong


