- シティは、ビットコインの弱さがナスダック100指数の弱含みを示唆する可能性があると警告した。
- アメリカ財務省の措置による流動性圧力はビットコインの重しとなっているが、緩和される可能性もある。
- AI主導の債務増加はまだバブルではないものの、レバレッジの上昇には注意が必要だとシティはレポートで述べている。
ウォール街の大手銀行シティ(Citi)は、伝統的なサンタクロース・ラリーの出足の鈍さは年末の株式市場の反発を阻むものではないかもしれないが、ビットコイン(BTC)の下落は警告サインだと指摘している。
ビットコインの取引動向は歴史的にナスダック100と連動してきた。この暗号資産(仮想通貨)が55日移動平均線を上回っている時は、ナスダックのリターンが著しく改善すると、ダーク・ウィラー(Dirk Willer)氏率いるアナリストチームは11月6日の報告書に書いている。
ビットコインが現在この閾値を下回っていることから、株式市場のリスク調整後リターンは弱まっているとアナリストは指摘した。
同行のアナリストは、最近の暗号資産の弱さを主に流動性条件の引き締めに起因すると分析した。アメリカ財務省の現金残高再構築と、7月中旬以降の銀行準備金の約5000億ドル(約77兆5000億円、1ドル=155円換算)減少が相まって、流動性が枯渇し、リスク資産に圧力をかけている。
アナリストは、株式がAI(人工知能)ブームのおかげで堅調を維持している一方、ビットコインは流動性の変化に素早く反応する傾向があると指摘した。報告書によれば、良いニュースは財務省の残高が通常は再構築が停止する水準に近づいていることで、流動性がまもなく改善してビットコインと株式の両方が回復する可能性を示唆している。
それでもシティはAI関連取引に新たな懸念が生じていると見ている。企業は1990年代後半を彷彿とさせるハードウェアコストの急騰と供給制約に直面する中、投資家は巨額のAI支出が十分なリターンをもたらすかどうか、疑問を抱いている。
メタ(Meta)やアルファベット(Alphabet)といったハイパースケーラーも、データセンター拡張資金を調達するために債券市場に目を向け、数十億ドル規模の新規債券を発行している。同行は、この信用融資への移行がドットコム時代を彷彿とさせるものの、現在のバランスシートは当時よりはるかに健全だと指摘した。
報告書は、この債券発行はストレスではなく機会を反映していると結論づけたが、現金から信用への移行が債券保有者にとってプラスとなることは稀だと警告した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Weakness Sends a Warning to Stocks, but Liquidity May Soon Turn, Citi Says


