- 米Circle(サークル)が開発中の独自ブロックチェーン「Arc(アーク)」のパブリックテストネットが10月28日に稼働、メインネットは2026年を予定。
- 特徴は、手数料にはUSDCを使用、決済速度は1秒以下、柔軟なプライバシー設定。
- アレールCEOは、USDCの成長は新興国市場で顕著だと語り、中東およびUAEでの規制整備に触れた。
Circle Internet Group(サークル・インターネット・グループ:CRCL)のJeremy Allaire(ジェレミー・アレール)CEOは、サウジアラビア・リヤドで開催された「Future Investment Initiative 2025」でCNBCの取材に応じ、同社が開発中の独自ブロックチェーン「Arc」は「インターネットのための経済OS」であり、金融の基幹ワークフローはオンチェーンに移行しつつあり、予測可能なコストとパフォーマンスが求められていると語った。
Arcは決済、外国為替、レンディング、資本市場での取引を対象とし、手数料にはUSDCを使用、決済速度は1秒以下、機密情報を保護できるプライバシー機能を備えるという。10月28日にパブリックテストネットが稼働し、スマートコントラクトや取引フロー、トークン発行のテストを行い、2026年にメインネット稼働を目指している。
「成長が鈍化」との見方を否定
アレールCEOは、USDCがこうしたユースケースにおける実践的な橋渡し役になると強調。「成長が鈍化している」という見方を否定し、2025年を通して利用は拡大し、特に新興国市場での需要は「極めて大きい」と述べた。古い国際送金システムの手間や時間を避けてドル決済を行いたい企業が需要が牽引しているという。特に中東地域では、企業はUSDCを使って迅速な取引をおこなっていると述べた。
サークルのUAEでの取り組みを強化している。アレールCEOは、同地域での規制整備の進展を指摘し、オンチェーンのドル決済インフラを求める機関投資家を支援する体制が整いつつあると語った。また、米国でのジーニアス法の成立が、企業によるステーブルコインを使った決済・外国為替・信用取引の推進を後押ししているとも述べた。
エコシステムの拡大については、Arcの発表には銀行、決済、大手テック、AIなど、100社を超える企業が関与していると明かした。Arcのビジネスモデルをトランザクションかつエコシステム・ドライブ型と位置づけ、単一企業による囲い込み型ではなく、分散的な運営とガバナンスを長期的な目標とする考えを示した。
つまりArcは、ステーブルコイン・ネイティブな金融のために、ドル建て・高スループット環境を提供する。アレール氏は、予測可能なコスト、迅速な決済、コンプライアンスに配慮したプライバシー機能が、商取引における「金融の中核」の多くをプログラマブルな基盤に移行させ得ると語った。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:東京での記者会見で語るアレールCEO(CoinDesk JAPAN)
|原文:Circle CEO Jeremy Allaire Calls Arc ‘an Economic OS for the internet’


