- 1万BTC超を保有するクジラは3カ月連続で売却傾向にある。
- 1000BTC未満の小口投資家は、一貫して買い増しを続ける。
- 年初はすべてのウォレットが強い売却傾向にあり、4月の「関税ショック」では、ビットコインは7万6000ドルまで、30%下落した。
ビットコイン(BTC)は年初来でわずかにプラス圏にとどまり、2025年末は10万ドル付近での調整相場となっている。
オンチェーンデータを見ると、足元の価格の軟調さは、これまで休眠状態にあったビットコインが再び市場に出回っていることが要因のひとつになっているようだ。
ブロックチェーン分析企業Glassnode(グラスノード)の「Accumulation Trend Score(ATS)」によると、大口保有者、いわゆる「クジラ」が価格下押しの大きな要因だ。
ATSは、異なるウォレット層の15日間の取得量と保有規模をもとに、買い増しか売却かを数値化する。1に近い数値は買い増し傾向、0に近い数値は売却傾向を示す。取引所やマイナーなどは除外されている。
データによると、1万BTC超を保有するクジラは8月以降、一貫して売り手となっており、3カ月連続で売却傾向を示している。一方、1000〜1万BTCを保有する中間層は0.5付近で中立的な動き。1000BTC未満の小口投資家は明確な買い集めモードにある。

年初から4月までは、すべてのウォレット層が強い売却傾向にあり、いわゆる「関税ショック」と呼ばれた局面でビットコイン価格は7万6000ドルまで、30%下落した。
データは、クジラと他の市場参加者の間の明確な分断を浮き彫りにしており、現時点では、依然としてクジラが価格の主導権を握っているようだ。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Glassnode
|原文:Bitcoin Whales vs Everyone Else, and the Whales Are Winning


