- アフリカに特化した決済企業のFlutterwaveは、ポリゴンのブロックチェーンを統合し、国境を越えた決済の迅速化とコスト削減を目指す。
- 試験段階は企業向けに今年開始され、2026年には消費者向け送金に拡大する。
- 今回の提携は、新興市場における現実世界でのステーブルコイン導入事例としては世界最大規模のものの一つとなると、両社は述べた。
アフリカ最大級の決済企業であるFlutterwaveは、ブロックチェーン基盤を活用して国境を越えた決済をより迅速かつ安価に行うため、ポリゴン・ラボ(Polygon Labs)と提携したことを、両社が10月30日に発表した。
米CoinDeskに共有されたプレスリリースによると、今回の提携により、ポリゴン(Polygon)ネットワークがFlutterwaveの新しいステーブルコインベース決済システムの標準的なインフラとして組み込まれる。
今年中に開始される第一段階の展開では、ウーバー(Uber)やオーディオマック(Audiomack)などの多国籍企業顧客に焦点を当てる。より広範なリリースは来年に予定されており、Flutterwaveの個人向け送金アプリ「Send App」にもサービスを拡大する。
現在、多くのアフリカ諸国における国境を越えた決済は時間がかかり、手数料は平均8%を超えていると両社は述べた。資金の決済に数日かかることで、企業は運転資金へのアクセスを失ったり、成長機会を逃したりする可能性がある。
ステーブルコインは、米ドルなどの法定通貨に連動する暗号資産(仮想通貨)の一種で、取引の際に銀行を介さずオンチェーンで処理することで、従来の決済システムよりも安価で迅速な代替手段を提供することを目指している。ステーブルコインは3000億ドル(約46兆2000億円、1ドル154円換算)規模の資産クラスに成長しており、新興国では日常的な決済や貯蓄手段としてますます普及している。
「新興国の企業は、年間数十億ドルの国境を越えた決済を処理しているが、依然として高額なコストと決済時間の遅さに直面している」とFlutterwaveの創業者兼CEO、オルグベンガ・アグブーラ(Olugbenga Agboola)氏は声明で述べた。「ポリゴンと提携することで、我々は多くの国内決済よりもさらにシンプルで手頃な国際決済ができるソリューションを提供する」。
長年にわたる決済上のボトルネックを解消するために、ブロックチェーン基盤のステーブルコインに賭ける金融企業が増加しており、Flutterwaveは今回の動きにより、そうした企業のリストに加わることになる。例えば、広く普及している世界的な送金ネットワークであるウエスタンユニオン(Western Union)は、米国の暗号資産銀行アンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)と提携し、来年ソラナ(Solana)ブロックチェーン上で独自のステーブルコインを展開すると発表した。ペイパル(PayPal)は2023年にパクソス(Paxos)と提携してステーブルコインPYUSDをローンチし、ストライプ(Stripe)は独自のブロックチェーンとステーブルコインのインフラを構築している。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:James Wiseman/Unsplash, modified by CoinDesk
|原文:Flutterwave, Africa’s $31B Payment Provider, Taps Polygon for Cross-Border Payments


