- キャンターフィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)は、IREN株が現在の62.38ドルから、2028年までに384ドルへと上昇する可能性があると予測している。
- マイクロソフトと結んだ97億ドルの契約によって、IRENは成長するAIデータセンター市場における主要プレイヤーとしての地位を確立すると、キャンターは見ている。
- IRENは、GPU容量の拡大とクラウド需要の増加を背景に、2026年の年間経常収益見通しを34億ドルに引き上げた。
ビットコインマニング企業からAIインフラ企業へ転身したIRENの株価は、年初来500%以上値上がりしているが、ウォール街の強気筋によれば、これは始まりに過ぎない可能性がある。
先週発表された第3四半期決算と、テキサス州チルドレスの施設で200メガワットのAI演算能力を供給するマイクロソフトとの5年間・97億ドル(約1兆4500億円、1ドル=154円換算)の契約を受け、キャンターフィッツジェラルドのブレット・ノブラック(Brett Knoblach)氏は、すでに強気なIRENの2025年目標をほぼ据え置いたものの、2028年までに株価が現在の67ドルから384ドルに達する可能性を示唆した。
ノブラック氏は11月7日発表のリサーチノートで、「この契約により、IRENは大規模『ネオクラウド』プロバイダーの仲間入りを果たし」、テキサス州とカナダの施設で年間収益186億ドル(約2兆8600億円、1ドル=154円換算)規模へ拡大する同社の野心に信憑性を加えたと指摘した。
第3四半期決算報告の後、IRENの2026年度年間経常収益見通しは5億ドルから34億ドルへ上方修正された。
IRENは先日の決算説明会で、より高い収益性、マイクロソフトからの先行資本支援、長期的な資産価値を理由に挙げ、コロケーションよりもクラウドを優先する方針を強調したとノブラック氏は指摘。
たとえGPUが5年後に役目を終えたとしても(ノブラック氏はその可能性は低いと考えている)、データセンター自体はコロケーション契約のもとで年間数億ドルを生み出し続ける可能性がある。
ノブラック氏はマイクロソフトとの契約を、IRENのインフラに対する重要な信頼の証と見ている。また、開発中のアーキテクチャは次世代GPUに対応した「将来性のある設計」であり、エヌビディア(NVIDIA)のRubinチップやその後継をサポート可能なラック密度を備えていると、ノブラック氏は考えている。
ビットコインマイニング収益の減退を受け、ノブラック氏は短期的な目標株価を142ドルから136ドルに引き下げたものの、「オーバーウェイト」評価を維持し、IRENをトップピック銘柄と位置付けた。
株式と暗号資産(仮想通貨)の全般的な上昇と並んで、IREN株は10日、7.6%上昇し67.12ドルとなった。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:IREN Stock Could Soar Nearly 500% by 2028 on Microsoft AI Deal, Says Cantor


