- フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)は、トークン化された投資のために、同社の「ベンジ(Benji)」プラットフォームをカントン・ネットワーク(Canton Network)に導入した。
- この統合により、機関投資家にとって新たな流動性と担保の供給源が追加される。
- この動きは、トークン化された金融の機関投資家による採用が増加していることを示している。
カントン・ネットワークは、フランクリン・テンプルトンのベンジ・テクノロジー・プラットフォーム(Benji Technology Platform)が、同社のブロックチェーン上で稼働を開始し、フランクリン・テンプルトンの規制されたデジタル市場での存在感を拡大するとともに、機関投資家にトークン化された投資商品へのより幅広いアクセスを提供すると発表した。
この動きにより、フランクリン・テンプルトンのブロックチェーンインフラが、伝統的金融とオンチェーン市場を結びつけるために設計された分散型システムであるカントンのグローバル担保ネットワークに接続されることになる。
11月12日付の発表によると、この統合により、マーケットメーカーや機関投資家は、コンプライアンスとプライバシーの基準を維持しながら、新たな流動性と担保の供給源を得ることになる。
トークン化とは、現実資産(RWA)をブロックチェーンベースのトークンに変換するプロセスである。投資銀行スタンダードチャータード(Standard Chartered)は先月のレポートで、トークン化されたRWAが2028年までに2兆ドル(約310兆円、1ドル=155円換算)規模に達すると予測している。
フランクリン・テンプルトンのベンジプラットフォームは、同社のトークン化戦略の基盤となり、2021年に米国で初めてブロックチェーンを取引と記録管理に利用したミューチュアルファンドを実現した。それ以来、同社は、個人顧客、富裕層顧客、機関投資家顧客向けに、複数のトークン化製品を展開している。
フランクリン・テンプルトンのデジタル資産責任者であるロジャー・ベイストン(Roger Bayston)氏は、リリースの中で、「我々の最終的な目標は、機関投資家の現状と、同様に重要なその将来の方向性に対応することである」と述べ、次のように続けた。
「カントン・ネットワークとの統合により、透明性やセキュリティを損なうことなく、顧客に相互運用性とプライバシーを提供することができる」。
この提携は、特にグローバル担保ネットワークを通じて、機関投資家向け分散型金融(DeFi)におけるカントンの役割も強化するものである。リリースによると、シンガポールを拠点とする取引会社QCPは、流動性確保のためにこのプラットフォームを活用する計画である。
デジタル・アセット(Digital Asset)が開発し、ゴールドマン・サックス (Goldman Sachs)、BNPパリバ (BNP Paribas)、ブロードリッジ (Broadridge) などの企業が支援するカントン・ネットワークは、伝統的市場とデジタル市場をつなぐ、パーミッションド・ブロックチェーンインフラの構築を目指している。
フランクリン・テンプルトンの技術が加わったことで、拡大を続けるカントンの機関投資家向けエコシステムに、トークン化された金融商品の新たな層が加わることになる。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Unsplash(CoinDeskが加工)
|原文:Franklin Templeton Expands Benji Technology Platform to Canton Network


