ブロックチェーン活用の貸付企業フィギュア株、高騰──ドラッケンミラー氏が約120億円の投資を公表
  • ビリオネア投資家スタンレー・ドラッケンミラー(Stanley Druckenmiller)氏が7700万ドルの株式保有を開示した後、フィギュア・テクノロジー・ソリューションズ(Figure Technology Solutions)の株価は一時、15%も上昇した。 
  • アナリストは、フィギュアのキャピタル・ライトなホーム・エクイティ・ライン・オブ・クレジット(HELOC)モデルと、コスト削減のためのAIとブロックチェーンの活用を理由に、フィギュアの目標株価を引き上げた。
  • フィギュアの株価は9月の新規株式公開(IPO)以来44%上昇し、より広範な市場の低迷の中で、他の暗号資産(仮想通貨)関連企業をアウトパフォームしている。

SoFiの共同創設者マイク・キャグニー(Mike Cagney)氏によって設立された、ブロックチェーンを活用した貸付企業フィギュア・テクノロジー・ソリューションズの株価は11月17日、ビリオネア投資家スタンレー・ドラッケンミラー氏が同社への新しい大規模な投資を開示した後、一時15%も急騰した。 

株価は一時、最高46.46ドルまで上昇し、当記事執筆時点では10%高の44.45ドルで取引されている。今年上場した他の暗号資産関連企業が公募価格を下回る水準で取引されている中で、フィギュア株は9月のナスダック上場以来、44%上昇している。暗号資産市場は最近数カ月、低迷が続いており、このセクター全体の評価額を引き下げている。

デュケーヌ・キャピタル(Duquesne Capital)が14日に提出した最新の「13F」によると、創設者ドラッケンミラー氏は第3四半期に、210万以上のフィギュア株を購入し、そのポジションは現在、約7700万ドル(約120億円、1ドル=155円換算)の価値があり、同氏のポートフォリオの1.9%を占めている。 

長年ヘッジファンド界の大物として活躍するドラッケンミラー氏は、ディスラプティブなテクノロジーとマクロトレンドを早い段階で見抜くことで知られている。

ドラッケンミラー氏がフィギュアに投資したことは、ブロックチェーンとAIを融合して消費者向けのローンを合理化する金融プラットフォームへの機関投資家からの関心の高まりを示唆している。

バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)、みずほ、パイパー・サンドラー(Piper Sandler)のアナリストは最近、ホーム・エクイティ・ライン・オブ・クレジット(HELOC)を中心とした「キャピタル・ライト」なローンモデルへの移行を強調して、フィギュアの目標株価を引き上げた。

フィギュアは第3四半期の決算報告で、「フィギュア・コネクト」プラットフォームが、前四半期の46%から上昇して、ローン総額の60%を牽引すると予想していると述べた。 

みずほのアナリスト、ダン・ドレフ(Dan Dolev)氏はまた、フィギュアの新しいステーブルコイン戦略を差別化要因として指摘した。

フィギュアは先日、「プロヴェナンス(Provenance)」ブロックチェーン上で利回りを生むステーブルコイン「YLDS」を立ち上げた。これは、伝統的な銀行からデジタルドルへの資本流出の可能性に対処するために設計されている。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:フィギュア・テクノロジー・ソリューションズの共同創業者、マイク・キャグニー氏(CoinDesk archives)
|原文:Figure Stock Jumps as Druckenmiller Invests $77M, Analysts Raise Price Targets

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