- ビットコインの最近の下落は終わりに近づいている可能性があり、現在の下落は、昨年米国でビットコイン現物ETFが導入されて以来3度目となる30%規模の主要な調整であると、スタンダードチャータードのジェフリー・ケンドリック氏は見ている。
- ストラテジーのmNAVを含む主要な市場指標はゼロ水準まで下落しており、売り手の疲弊を示唆。
- 年末に向けた反発が基本シナリオだと、同氏は述べた。
スタンダードチャータード(Standard Chartered)のデジタル資産リサーチ責任者、ジェフリー・ケンドリック氏(Geoffrey Kendrick)によると、ビットコイン(BTC)の急落はついに終わりに向かっている可能性があり、今回の下落は馴染みのあるパターンを辿っており、おそらく底をつきつつあると主張している。
ビットコインは18日に9万ドルを割り込み、10月初旬に記録した史上最高値12万6000ドル超から約30%下落して損失を拡大した。今回の下落は、昨年米国でビットコイン現物ETF(上場投資信託)が導入されて以来、最も深刻な下落となり、時価総額で世界最大の暗号資産(仮想通貨)が、典型的な4年サイクルの弱気相場局面に入ったのかどうかについて議論を巻き起こしている。
「最近の下落は、ここ数年で3度目となる下落(急速かつ痛みを伴うバージョン)に過ぎず、規模もほぼ同じだと見ている」とケンドリック氏は18日の顧客向けメモに書いている。

ケンドリック氏は自身の見解の一部として、主要なセンチメントおよび評価指標が、市場底値と歴史的に関連づけられてきた水準にリセットされたことを強調。その一つが、ビットコイントレジャリー企業ストラテジー(Strategy)のmNAV(市場純資産価値)だ。これは、同社の時価総額とビットコイン保有高を比較した指標で、1.0の等価水準まで下落している。
「他の多くの指標も絶対的なゼロ水準まで急落している」とケンドリック氏は述べ、売り手の疲弊とキャピチュレーション(投げ売り)を示唆した。「これは、下落が終わったことを示すのに十分だ」。
「年末にかけての反発が私の基本シナリオだ」と同氏は結論づけた。
ケンドリック氏の見通しは、暗号資産取引所ビットフィネックス(Bitfinex)のアナリストらによる最近のコメントとも一致している。アナリストらは、短期保有者の実現損失のペースが鈍化し始めており、市場底入れの典型的な兆候であるオンチェーンでの投げ売りシグナルが出現していると指摘した。
ビットコインは18日に9万3000ドルをわずかに下回る水準まで反発し、前夜の安値から3.8%上昇した。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:modified by CoinDesk
|原文:Bitcoin Sell-Off Likely ‘Complete’, Rally Into Year-End Still in Play: StanChart Analyst


