- カナダのマーク・カーニー首相の政権による予算の取り組みが成功したことは、同国のステーブルコイン政策が前進していることを意味する。
- コインベース・カナダ(Coinbase Canada)のCEOは、その取り組みを改善するためにいくつかの修正を提案した。
カナダ政府は、議会で連邦予算を可決することに成功したが、この予算は、ステーブルコイン政策を制定するものでもある。
カナダ議会は11月17日夜、マーク・カーニー首相にとって初となる予算を辛うじて可決した。長い予算文書の中には、カナダ銀行が監督する、ステーブルコイン発行に関するセクションが含まれている。
この予算の特定の規定には、他の手続き上のハードルが残っているが、予算可決は新しい政権にとって、大きな勝利を意味する。
米ドルに裏付けられたステーブルコインの発行体を規制する、最近成立した米国の法律と多くの点で類似する形で、カナダの発行体は、「参照通貨または他の高品質の流動資産のみで構成される」1対1の準備金を維持し、即時の償還を許可し、リスク管理、サイバーセキュリティ、開示、および破綻時の取り扱いに関する一連の要件を満たす必要がある。
カナダ銀行(カナダの中央銀行)は、承認された申請企業の登録台帳を管理、維持する予定である。
この政策の下では、非銀行のステーブルコイン発行体は、顧客に対して「現金、デジタル資産、またはその他のいかなる形でも、ステーブルコインに関する利息または利回り」を付与することは許可されない。
自由党のカーニー首相は週末、カナディアン・フットボール・リーグ(CFL)の優勝決定戦でコインベース・カナダのCEO、ルーカス・マシスン(Lucas Matheson)氏の横に姿を現したが、マシスン氏は、カナダのステーブルコインに対するアプローチは、いくつかの変更で改善できる可能性があると主張している。
マシスン氏は18日付の声明で、政府によるステーブルコイン政策を、「正しい方向への一歩」と評した。しかし、「カナダドル連動型ステーブルコインができるだけ早く市場に到達するための暫定的な道筋と、発行体がステーブルコイン預金に対する利回りを共有することを許可すること」を求めた。
マシスン氏は、「これらのステップは、カナダを世界的に競争力のある地位に置き、世界中でカナダドルの大きな影響力を維持するのを助けるだろう」と述べた。
世界のステーブルコイン市場は、米ドルの価値に連動したトークンに支配されているが、他国やEU(欧州連合)は、自国の通貨の存在感を高めようと模索を続けている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock(CoinDeskが加工)
|原文:Canada Approves Budget That Advances Policy for Stablecoins


