昨日開幕したビットコインの国際カンファレンス「BITCOIN JAPAN 2025」は24日、丸の内の東京ステーションホテルに会場を移してMain Conferenceが開催された。国内外からビットコイナーや開発者らが集まった。
冒頭では、主催するANAP(アナップ)ホールディングス代表取締役社長の川合林太郎氏が「ファッション → ビットコイン →」と題して講演。女性・子ども向けのカジュアルファッションブランド「ANAP」の運営で知られる同社が、今年からビットコイン(BTC)保有戦略を本格化させた経緯などについて語った。
川合氏は「つぶれかけた服屋がビットコインに手を出した」と世間的には思われているかもしれないと会場を笑わせつつ、世間で言われるビットコイントレジャリー企業も、単なる株価対策なのか、経営陣がBTCの価値を信じるビットコイナーなのかで性質は大きく異なると指摘した。
そのうえで、同社はアパレルという実業を持つ企業として、単にBTCを積み上げるのではなく、「ビットコインの社会実装」を目指していると説明。BTC戦略について助言する「ビットコインアドバイザリーボード」を立ち上げ、第一号にJAN3のCEO、サムソン・モウ(Samson Mow)が就任したことを明らかにした。

また、予告していたビットコインと本業のアパレル事業を融合させた新ライフスタイルブランド「COMMON BLOCK(コモンブロック)」も初披露された。
川合氏は6月、CoinDesk JAPANの独占インタビューに「ビットコイナーには、まだ誰も気づいていない購買力がある」と述べ、ビットコイン文化に根ざした要素を織り交ぜた新ブランドを準備していると明かしていた。
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COMMON BLOCKでは、プライバシー保護などビットコインにちなんだメッセージを織り込んだTシャツやパーカー、法定通貨を燃やすというイメージのキャンドルなどを展開する予定だという。一見してビットコイン関連と分かるデザインではなく、ビットコイナー向けの高品質ラインを目指す。
ブランド展開をリードする同社取締役の若月舞子氏にも話を聞くと、商品ごとにコンセプトや意味を込めつつ、一般層にも自然に溶け込む「わかる人にはわかる」デザインを追求していると説明。専用のECサイトで販売を始めたという。

川合氏に続いては、経済学者の成田悠輔氏が登壇。「22世紀の資本主義とビットコイン」をテーマに基調講演し、BTCの時価総額が急拡大しながらもブロックチェーン技術の社会浸透が進まない理由などについて、ジョージ・ワシントン大学のAurelien Portuese教授と議論した。
午後には女優・キャスターの菊川怜氏がモデレーターを務める量子コンピューターをテーマにしたセッションも予定されている。詳細は追ってお伝えする。
|文:橋本祐樹
|トップ画像:メインカンファレンスに登壇したANAPホールディングス代表取締役社長の川合林太郎氏


