- シティは、10月10日以降のビットコインETFからの流出額が40億ドル近くに達したと指摘した。
- 歴史的に弱い半減期サイクルの2年目に入り、長期保有者は慎重になっている。
- ETFへの新たな流入がなければ、ビットコインが年末の弱気シナリオである8万2000ドルに近づくと同行はみている。
ウォール街の銀行であるシティグループ(Citigroup)は、10月に起きた暗号資産(仮想通貨)先物市場の暴落がセンチメントを崩壊させ、ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)からの40億ドル(約6200億円、1ドル155円換算)近くの流出を引き起こして年初来の利益が帳消しになったと指摘した。
新規流入が枯渇する中、ビットコインはETF保有者の平均コストベースに向けて下落しており、シティグループの基本シナリオよりも弱気シナリオに近い動きを見せている。
市場が歴史的に弱い半減期サイクルの2年目に突入する中、長期保有者の不安が高まっていると同行は指摘した。より古い供給量が移動するようになり、より大口のウォレットがポジションを削減するようになったことをオンチェーンデータは示している。
アナリストのアレックス・サンダース(Alex Sanders)氏は21日のレポートで、10月初旬のより広範なマクロ経済ストレスに関連したフラッシュクラッシュ以降、ビットコインは普段なら牽引役となっている資産のパフォーマンスを下回っており、株価が反発するかワシントンのデジタル資産法案が前進しない限り短期的な材料を欠いていると指摘した。
サンダース氏は、関心は消えていないとしながらも、長期保有者は守りに入っており、ビットコインが主要なテクニカル水準を下回って取引されている間は新規参入者には参入する理由がほとんどないと述べた。
サンダース氏は年末までに75億ドル(約1兆1625億円)のETFへの流入を予想していたが、流出に転じた。これにより、ビットコインは同行の弱気シナリオである8万2000ドル付近に位置している。
同社は、ETF保有者にとって8万ドルが重要な水準だとみており、来年の規制改革で需要が回復する可能性があると指摘。12カ月後の目標は、流入額250億ドル(約3兆8750億円)、ビットコイン価格18万1000ドルで据え置いた。
本記事公開時点でビットコインは8万6500ドル前後で取引されていた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Pixabay, modified by CoinDesk
|原文:Citigroup Warns of Bitcoin Halving-Season Chill as Prices Sink, ETF Outflows Near $4B


