金融庁は11月25日、金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ報告(案)」を公表した。
あす26日に開催される第6回ワーキング・グループ(WG)での審議に向けたもので、これまでの議論を踏まえ、従来の資金決済法から金融商品取引法(金商法)への規制移行を軸とした提言となっている。
報告案では、暗号資産交換業者のビジネスモデルについて踏み込んだ記述が見られた。
現在、多くの交換業者は利用者間で売買する「取引所」と、業者が相手方となる「販売所」を併設しているが、報告案は、「取引所」より収益性の高い「販売所」での取引へ顧客を誘導しているのではないかとの懸念を指摘した。
その上で、金商法においては「最良の取引の条件で顧客の注文を執行するための方針及び方法を定めて実施する最良執行義務」が設けられていることに言及。この観点から、交換業者による顧客へのサービス提供が適切なものとなっているか、検討されるべきであるとした。
このほか、コールドウォレット等で管理する暗号資産について、ハッキング等による流出リスクに備えた「責任準備金」の積立てを求める方針が明記された。
なお、インサイダー取引規制の導入や銀行参入のあり方など、これまで議論されてきた主要論点については、第5回会合までの議論の内容が反映されている。これまでの経緯については以下の関連記事を参照してほしい。
本報告案は26日の会合で審議され、今後の法改正に向けた指針となる。
|文:栃山直樹
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