- 通常、第4四半期はビットコインにとって最も好調な四半期となっているが、2025年はそのトレンドから乖離した。価格は下落し、数週間にわたるドローダウンが発生している。感謝祭時期の価格は前年比で6%下落した。
- 感謝祭前日は歴史的に弱い取引日だが、当日と翌日は通常、ややプラスのリターンとなっていた。
ビットコイン(BTC)は10月の史上最高値から35%の調整を経て感謝祭期間に入った。現在5週連続の下落に突入している。感謝祭の祝日前の取引日は一貫して弱い取引期間のままだ。過去7年間の感謝祭前日のうち6日間は下落しており、2020年と2021年にはビットコインは約8%下落した。これは、祝日の休暇前の流動性の低下とヘッジ活動を反映している可能性がある。
感謝祭自体はおおむね横ばいの日となっている。2013年以降、ビットコインは感謝祭当日に平均約1.5%の上昇を記録しており、マイナスとなった日はわずか4日だ。感謝祭翌日はやや上昇し、平均2.3%以上のリターンを記録している。
週単位で見ると、感謝祭は通常47週目にあたり、平均で約3%のリターンを上げている。ただし、歴史的に好調な46週目の後半に含まれることもあり、その場合は平均6%以上の上昇を記録している。
季節的には、第4四半期はビットコインにとって最も強気な期間であり、平均上昇率は約77%だったが、今年の第4四半期は現在23%下落している。11月に20%以上下落しており、2022年6月以来で最悪の月となっている。
ビットコインは10月に記録した史上最高値12万6000ドル(約1953万円、1ドル155円換算)から7週間ドローダウンを続けており、47週目のパフォーマンスはややマイナスとなっている。11月が終盤を迎えるにつれ、オプションの満期が短期的なボラティリティを高める可能性がある。
ビットコインは、2025年の感謝祭を2024年の水準である9万5380ドルを下回った状態で終える見込みだ。これは前例のない事態ではない。2015年、2018年、2022年など、ビットコインの感謝祭時の価格が前年を下回った事例は何度かあるからだ。
今年とこれまでの違いは、現物ビットコインETF(上場投資信託)を通じた機関投資家の殺到やビットコイントレジャリー(財務)企業の買いだめかもしれない。これによって市場構造が変化し、かつては暗号資産(仮想通貨)取引の基盤であった個人投資家が周縁に追いやられ、結果として大量に清算される事態となっている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)などの取引所よりも個人投資家に好まれる暗号資産の取引プラットフォームでの10月のある1日における清算額は190億ドル(2兆9450億円)を超え、暗号資産史上最大の清算の連鎖となった。
現在、暗号資産取引所の流動性は相対的に不足している。実績のある取引相手は、信頼できない自動デレバレッジイベントのリスクを負うことを望まなくなり、規制された場で取引を行うようになるだろう。その結果、昨年の同時期から根本的に変化した市場において、個人投資家がリスクテイクの負担を担う構図になっている。

|翻訳・編集:林理南
|画像:ビットコイン価格(TradingView)
|原文:Smaller Turkey for Bitcoin Holders as Holiday Price Comes In Lower Year Over Year


