- ビットコインは米国時間11月26日午後、約1週間ぶりに9万ドル台を回復した。
- この動きは、感謝祭前日には通常下落する傾向にあった例年の価格動向からの脱却を示している。
- 過去1カ月では、依然として大幅な下落が続いている。
感謝祭前の静かな取引は米国午後に活発化し、ビットコイン(BTC)は11月26日、約1週間ぶりに9万ドル台を回復した。
近年、感謝祭前日の水曜日は軟調で、過去7年間のうち6回下落しており、2020年と2021年には大幅な下落も発生している。
本日の上昇により、ビットコインは21日早朝の8万ドル付近でのパニック的な底値から約12%上昇した。それでもビットコインは、過去1週間で3%安、過去1カ月で21%安、史上最高値12万6000ドルからは28%低い水準にある。
ここ数日のビットコイン強気相場は、業界の終焉を告げる記事が常連メディアから相次いでいる中で発生している。最新の例は、長年暗号資産(仮想通貨)に懐疑的な立場のフィナンシャル・タイムズが26日に掲載した悲観的な記事3本立てだ。
当記事執筆時点では、ビットコインは9万ドルをわずかに上回る水準で取引されており、過去24時間では約3%上昇している。
ウィンターミュート(Wintermute)のデスクストラテジスト、ジャスパー・デ・マーレ(Jasper De Maere)氏は、「ビットコインのボラティリティは、感謝祭の週で取引高が減少する中、今年4月以来の高水準を記録した後、落ち着きを見せている」と指摘。「流動性の低い市場では、急激な変動が緩和されやすい」と続けた。
オプションデータによると、多くのトレーダーはビットコインが狭いレンジ内で推移すると予想していると、デ・マーレ氏は指摘する。ポジションは8万5000ドル〜9万ドルのレンジでコールオプションやストラングルを売り込む方向に偏っており、ダウンサイドプロテクションはごくわずかだ。
これはトレーダーが、ビットコインが横ばい状態を維持すると見込み、大幅な値動きを予想する他者の動きを利用しようとしていることを意味する。
「市場はブレイクアウトを見据えたポジション構築よりも、両方向の値動きに逆張りしても構わないという姿勢を示している」と、デ・マーレ氏は述べた。この姿勢は、取引高が減少して大幅な価格変動が制限されがちな連休前の市場基調を決定づけている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Pixabay
|原文:Bitcoin Retakes $90K in Break From Typical Pre-Thanksgiving Price Action


