- オーストラリア政府は、イノベーションを促進して投資家を保護するため、デジタル資産法案を議会に提出した。
- 同法案は、暗号資産カストディおよび取引プラットフォームに対する規制の空白を解消し、FTXやセルシウスのような破綻を防ぐことを目指している。
- 暗号資産プラットフォームはオーストラリア金融サービスライセンスの取得が必要となるが、小規模で低リスクのプラットフォームは免除対象となる。
オーストラリア政府は27日、イノベーションの促進と投資家保護を目的としたデジタル資産法案を議会に提出したと発表した。
金融サービス省(Ministry of Financial Services)は公式声明で、「2025年法人改正(デジタル資産枠組み)法案」は、消費者に代わってデジタル資産を保有する事業者に対し、明確かつ強制力のある規則を導入すると述べた。
この法案は、暗号資産(仮想通貨)プラットフォームに対する同国の長期にわたる規制上の空白に終止符を打ち、前回のサイクルで発生したFTXやセルシウス(Celsius)のようなオフショアプラットフォームの破綻を回避することを目的としている。これらの破綻では数十億ドルが消失し、数千人のオーストラリア国民が事実上、法的救済措置がない状態に陥った。
同省は、この法案は全ての暗号資産およびブロックチェーン企業を金融システムに組み入れ、セクター全体に適用される透明性、健全性、消費者保護の基準を企業が満たすことを保証するものだと付け加えた。
「デジタル金融イノベーションを解き放つことで、オーストラリアは年間最大240億オーストラリアドル(約2兆4480億円、1オーストラリアドル102円換算)の生産性向上とコスト削減を実現できる可能性がある」と共同声明に記されている。
この法案では、暗号資産プラットフォームはオーストラリア金融サービスライセンスの取得が義務付けられ、その義務は、各プラットフォーム特有の構造とリスクプロファイルに合わせて調整されると規定されている。
非現金決済サービスなどの他の金融商品に対するアプローチと同様に、顧客1人あたりの保有額が5000ドル(約51億円)未満で、年間取引額が1000万ドル(約10億2000万円)未満の小規模で低リスクのプラットフォームは、ライセンスの取得が免除されると法案に記載されている。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Photo by Gerda on Unsplash
|原文:Australia’s New Digital Assets Bill Seeks to Prevent Past Crypto Failures


