石川県に本社を置く繊維メーカーの北紡は11月26日、SBIグループで暗号資産のレンディング事業を行うSBIデジタルファイナンスと連携し、保有するビットコイン(BTC)の運用を開始すると発表した。
同社は東証スタンダード上場で、今年7月からビットコインの購入を開始した。老舗企業として綿や化学繊維を使った紡績糸の製造を行っているが、紡績事業の収益確保が難しく、インフレや円安に伴う「日本円だけを保有するリスク」への対応としてBTCの保有に踏み切った。

CoinDesk JAPANは10月、BTC戦略をリードする専務取締役の篠原顕二郎氏に独占取材を実施。保有するBTCについて篠原氏は「短期的な値上がりを狙うのではなく、長期的に保有していく考え」と説明し、保有量の拡大に合わせて一部をレンディング運用に回す方針も明かしていた。
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11月5日の発表によると、北紡は9.25BTCを保有しているが、その約半分をSBIデジタルファイナンスの貸暗号資産サービスで運用する予定だ。運用開始日は12月9日で、利率は市場金利と貸出期間に応じて変動するとしている。
なお、同社は2023年2月にSBIグループに加わったHashHub(ハッシュハブ)から金融事業部門を承継し、2024年4月に設立された。現在は暗号資産のレンディングサービス「HashHub Lending」を運営している。
|文:橋本祐樹
|トップ画像:北紡HPから


