- フォン・リーCEOは最近のインタビューで、株式と負債の両方を通じて柔軟に資金調達できるストラテジーの能力を強調し、これを同社の長期的なビットコイン戦略の中核と位置付けた。
- 同社は長期転換社債を発行しているため、短期的な借り換えリスクはなく、資本市場の発展に合わせて「機会を捉えた」戦略を維持することを目指している。
- リー氏は、ストラテジーの株主はビットコイン事業戦略という同社のアイデンティティを理解していると述べ、評価額に関する懸念を否定した。
ストラテジー(Strategy)のCEOであるフォン・リー(Phong Le)氏は、長期債務、機会を捉えた株式へのアクセス、そして短期的な借り換え圧力がないことに基づく資本構造を理由に、同社は現在ビットコイン(BTC)の蓄積を継続するための「かつてないほどの柔軟性」を備えていると語った。ポッドキャスト「ビットコインがもたらしたもの(What Bitcoin Did)」の最新エピソードで、司会者のダニー・ノウルズ(Danny Knowles)氏に対して述べたもの。
リー氏は、債務と株式の両方を通じて資金調達を行うストラテジーの能力は、同社の長期的なビットコイン運用戦略の中核を成していると述べた。また、資本市場へのアクセスについて、複数の市場サイクルを通してバランスシートにビットコインを継続的に追加する同社の能力の背後にある「魔法」だと表現した。
リー氏によると、同社は流動性ストレスを回避し、機会を捉えた発行の余地を維持するためにバランスシートを慎重に設計したという。リー氏は、「当社の資本構造は非常に強固だ」とし、「最初の債務の満期は2025年12月まで訪れない。これは、機会を捉えるための大きな柔軟性を与えてくれる」と述べた。同社は、満期までが長く短期的な希薄化リスクが最小限である転換社債トランシェを複数保有している。リー氏はさらに、ストラテジーはビットコインの蓄積を継続するための「かつてないほどの柔軟性」を備えているとし、状況に応じて株式市場と債券市場の両方にアクセスできる能力を指摘した。
リー氏は、ストラテジーは現在創業以来で最も高い柔軟性を備えていると述べ、アット・ザ・マーケット方式のプログラムを通じた株式による資金調達能力と、ゼロクーポンまたは低クーポンの転換社債発行実績を挙げた。同氏は、「我々は両方を実行できることを示してきた。両方のタイミングを選ぶことができる」とし、同社は株式市場が好調な時期に資金調達を行うことも、金利と市場状況が長期債の発行に有利な時期に転換社債に頼ることもできると指摘した。
15万8000BTC以上を保有
ワシントンD.C.に拠点を置くストラテジーは、2025年2月にマイクロストラテジー(MicroStrategy)からストラテジーに社名変更した。同社はバランスシート上に15万8000BTC以上を保有している。リー氏は、ストラテジーの市場におけるアイデンティティが従来のソフトウェア企業からエンタープライズ分析とビットコイン志向のトレジャリー(財務)戦略を組み合わせたハイブリッド事業へと移行したことを同社の株主基盤は理解していると説明。「当社の株主基盤は我々が何であるかを理解している」とし、「当社は、公開市場においてこの戦略への唯一のアクセスポイントだ」と述べた。
特にビットコイン価格が不安定であったり、直近の高値を大きく下回って取引されている状況において、一部の投資家が依然としてストラテジーに対する評価に疑問を抱いていることをリー氏は認めた。しかし、同社は複数のサイクルを通じてそのアプローチが通用することを証明しており、有利な条件で継続的に資金にアクセスできていることがそのモデルの正当性を立証していると主張。「この戦略が機能するのは、資本市場を有効活用する方法を我々が知っているからだ」と述べた。
ストラテジーはソフトウェア事業からの余剰キャッシュフローをビットコインに引き続き投入する意向であり、資本市場の状況を注視し、特定の時点で株式発行と債券発行のどちらがより適切かを判断するとリー氏は指摘。「ソフトウェア、ビットコイン、そして資本市場において我々が事業を展開している限り、このストーリーは説得力を持ち続けると考えている」と述べた。
ストラテジーのクラスA株は28日の終値が17.18ドル(約2700円、1ドル155円換算)で、前日比0.88%上昇したが、年初来では41%下落している。これは、同時期にビットコインが3.14%下落したのと対照的だ。
CoinDeskの市場アナリスト、ジェームズ・ヴァン・ストラテン(James Van Straten)氏は29日にX(旧Twitter)で、市場は依然としてストラテジーの企業価値を試すか、同社のビットコインコストベースを下回る水準まで株価を押し下げる可能性があると指摘。「底値は既に打ったと考えているものの、市場はこれら二つのシナリオのいずれかでマックスペイン(最大の痛手)を被ることになるだろう」と説明した。さらに、同社が現在の転換社債構造を乗り切るのを投資家が目にすれば、「ビットコインとストラテジーの価格はともに力強く上昇するだろう」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Midjourney / Modified by CoinDesk
|原文:Strategy CEO: Equity and Debt Flexibility Power Long-Term Bitcoin Accumulation Plan


