- ビットコインはこれまで、メトカーフ価値モデルに基づくネットワーク価値を短期的に下回ると、平均+132%の12カ月リターン(96%の確率でプラス)をもたらしてきた。
- ビットコインの成熟に伴い、長期保有者の保有量がわずか10日間で5万BTC増加。長期保有者は純売り手から、純買い手へと転換した。
ネットワーク経済学者ティモシー・ピーターソン(Timothy Peterson)氏によると、ビットコイン(BTC)がメトカーフ価値モデルに基づくネットワーク価値を一時的に下回ったのは、約2年ぶりのことである。
これは通常、市場リセットの後期段階を示すシグナルだと、ピーターソン氏は述べ、次のように続けた。
「必ずしも底値を示すわけではないが、レバレッジの大部分が解消され『バブル』が収縮したことを示唆している」。
メトカーフ価値は、活動量とユーザーベースの成長を用いてネットワークの根本的価値を推定するもので、主要なサイクル転換期において有用な文脈を提供してきた。
ネットワーク価値割れは、ビットコインがサイクル中最も急激な調整(約36%安の約8万ドルまで下落)した時期と一致した。この動きはレバレッジを枯渇させ、投機的過剰を解消し、急反発の舞台を整えた。その後買いが入りネットワーク環境が安定化したことで、ビットコイン価格は9万ドル台を回復した。
2022年の弱気相場では、活動量とセンチメントが弱まる中、ビットコインは全期間を通じてメトカーフ価値を下回る水準で推移した。2023年初頭に新たなサイクルが始まって以降、参加者の増加と資本流入の再開に支えられ、価格は一貫してこの基準値を上回っていた。最新の調整は、このトレンドを初めて意味ある形で破った動きだった。
歴史的に見ると、ビットコインがメトカーフ価値を下回って取引されると、将来に強いリターンをもたらしてきた。ピーターソン氏によれば、こうした状況下での12カ月間のパフォーマンスは96%の確率でプラスとなり、平均132%の上昇率を記録している。これは、他の期間の75%と68%を大きく上回る数値だ。
追い風が増大
さらに、過去10日間で、長期保有者の保有量が約5万BTCと大幅に増加した。長期保有者とは、ビットコインを155日以上保有する投資家を指す。この層は過去12カ月間、売り圧力の主要な源泉の一つであった。

短期的な投機目的の保有者から、長期保有者ウォレットへとコインが移行して成熟する過程が継続し、長期保有者が総量ベースで分配ではなく蓄積に転じる中、このような売り圧力の減少は、ビットコイン価格にとって重要な追い風となるはずだ。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ビットコイン価格(緑)とメトカーフ価値(Timothy Peterson, @nsquaredvalue)
|原文:Bitcoin Dipped Below ‘Fair Value’ for First Time in 2 Years, History Says 132% Gains Next 12 Months


