- バイナンスは、アブダビ・グローバル・マーケット(ADMG)から、取引所、決済、仲介業務の包括的な枠組みの下で事業を運営するための認可を取得した。
- この認可により、バイナンスはNestブランドの下で、取引所、決済、取引機能を3つをカバーする規制対象事業体として事業を展開できるようになる。
- バイナンスのアブダビにおける事業展開は、規制基準に準拠しており、この地域が金融イノベーションのハブとしての役割を担っていることを強調している。
バイナンス(Binance)は、アラブ首長国連邦(UAE)首都アブダビの金融特別経済区であるアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)から、取引所、清算、仲介業務を包括的な枠組みのもとで運営するための認可を取得したとプレスリリースで発表した。
この認可により、バイナンスの事業は3つの規制対象部門に分割され、伝統的な金融取引所の市場構造を反映したものとなる。バイナンスのADGMにおける事業は、現地法人として設立された3つの事業体「Nest」ブランドの下で組織化される。これは金融サービス規制庁(FSRA)が各機能を個別に監督できるようにする規制要件だ。
Nest Exchangeは、現物取引およびデリバティブ取引を運営するための公認投資取引所として認可された。Nest Clearing and CustodyはカストディおよびCSDの追加の許可を有する公認清算機関として認可され、規制当局が清算、決済、資産保護を監督できるようにする。Nest Tradingはブローカー・ディーラーとして承認され、取引所外およびOTC取引をカバーする。
Nestブランドの下で構成されているものの、3つの事業体はすべてバイナンスが管理し、バイナンスがアブダビで事業を運営するための認可インフラとして機能する。これによりプラットフォームは、規制当局が世界の取引所に採用を促している市場構造の基準に準拠する。
バイナンスの共同CEO、リチャード・テン(Richard Teng)氏は、この枠組みが「コンプライアンス、透明性、ユーザー保護」へのコミットメントを反映すると述べた。一方、ADGM会長のアハメド・ジャシム・アル・ザアビ(Ahmed Jasim Al Zaabi)氏は、バイナンスの進出がアブダビの「イノベーション、持続可能な成長、金融の未来における国際的ハブとしての主導的役割」を強調すると語った。
バイナンスとADGMは、グローバル本社のアブダビ移転の可能性について、CoinDeskのコメント要請に応じなかった。
バイナンスは長らく本拠地となる国あるいは地域を探しており、テン氏は2024年にCoinDeskに対し、このプロセスには時間がかかり、「慎重に」検討する必要があると語っていた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Binance Wins Full ADGM Approval for Exchange, Clearing, and Brokerage Operations


