- ブラックロックは、ステークド・イーサリアムETFの申請を正式に行った。同社がSECによる承認に向けて正式に行動するのはこれが初めて。
- この申請は、以前はステーキング機能に抵抗していたSECが、ポール・アトキンス新委員長の下で方針を転換したことを反映している。
- ブラックロックの既存のイーサリアムファンドは110億ドル相当のイーサリアムを保有しているが、新しいETFは別個のステーキングに対するエクスポージャーを提供する。
世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)は、ステークド・イーサリアム(ETH)ETF(上場投資信託)の申請を正式に行った。これは、ステーキングに対するエクスポージャーを一般投資家に提供する上で重要な一歩となった。
ブラックロックは5日に米証券取引委員会(SEC)にS-1登録届出書を提出した。この申請により審査プロセスが開始されるが、SECの承認または却下の正式な期限が設定されるには、当該ファンドを上場させる取引所が別途19b-4フォームを提出する必要がある。
iシェアーズ・イーサリアム・ステーキング・トラスト(ETHB)と呼ばれる今回提案されたファンドは、ブラックロックが昨年11月にデラウェア州で名称を登録した際に初めて存在が示唆された。この動きは同社の意向を示したものの、SECへの正式な申請としては扱われなかった。
これはブラックロックにとって初めてのイーサリアムETFではない。同社は2024年7月に他の発行体と共にiシェアーズ・イーサリアム・トラスト(ETHA)を発行した。しかし当時、ゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)が議長を務めていたSECは企業に対し、提出書類からステーキングに関する要素を削除するよう指示したと報じられている。SECは以前、クラーケン(Kraken)やコインベース(Coinbase)などのプラットフォームが提供するステーキングサービスは、未登録の証券提供に該当する可能性があると主張していた。
ポール・アトキンス(Paul Atkins)新議長の下で、この姿勢は軟化しているようだ。ブラックロックとヴァンエック(VanEck)を含め、複数の発行会社がETFの提出書類にステーキング機能を含めるよう再提出または修正を行っている。他社が既存のETFを修正する中、ブラックロックは全く新しいファンドを立ち上げることを選択した。
約110億ドル(約1兆7050億円、1ドル155円換算)相当のイーサリアムを保有するETHAは、ステーキング機能のあるETHBとは別に運用される。このステーキング版ファンドが承認されれば、投資家は自ら資産をステーキングすることなく、イーサリアムの利回り創出メカニズムに対するエクスポージャーを持つことができる。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:BlackRock Files for Staked Ethereum ETF


