- AI関連の不安感が継続し、米株式市場指数を圧迫する中、ビットコインは9万ドルを下回った。
- ブロードコム(Broadcom)は12月12日、業績見通しが投資家の高い期待を裏切ったことを受け、株価が10%下落した。
- 12月の利下げに反対したシカゴ連銀のオースタン・グールズビー(Austan Goolsbee)総裁は、2026年の追加利下げ回数が現在の予測中央値を上回ると見ている。
AI(人工知能)関連株は12月12日、圧力にさらされ、米国取引時間序盤にハイテク株やビットコイン(BTC)をも押し下げた。
時価総額9位の半導体メーカー、ブロードコムは堅調な決算にもかかわらず、見通しが投資家の高い期待を裏切ったため、10%急落した。
ナスダックは取引開始1時間で1%超下落。さらに、オラクル(Oracle)が11日に10%急落、12日にさらに3%下落したことが加わり、今年の大半の株式市場上昇を牽引した過熱気味のAI関連銘柄が失速するのではないかという投資家の懸念が高まっている。
ビットコインは前日夜から朝まで、9万2500ドル前後で取引されていたが、米国株式市場開場後に2%急落し、直近では8万9800ドルまで下落。今週を通じて乱高下が続いている。
今週一貫して見られたのは、米国取引時間中にビットコインが日中安値を更新するパターンで、この動きがビットコインを米国での取引時間外のみ保有する「アフターダーク(AfterDark)ETF(上場投資信託)」の申請につながった。
AIによる事業多角化を進めるビットコインマイニング企業も、ブロードコムのニュースに同様の反応を示した。ハット8(Hut 8)は5%超下落。IRENとライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)は約4%下落し、サイファー・マイニング(Cipher Mining)は過去24時間で約2%下落した。
暗号資産関連株もナスダックとともに下落し、ロビンフッド( Robinhood)とストラテジー(Strategy)はいずれも2%近く下落した。
ステーブルコイン発行会社のサークル(Circle)は大きな打撃を受け、5%以上値下がり。コインベース(Coinbase)はわずかに下落した。
10日にジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、1月の利下げ休止の可能性をほのめかす発言を行った後、市場はすでに圧力を受けていた。
その結果、市場は2026年に3回の利下げではなく、2回の利下げしか見込んでいない。しかし、12月の利下げに反対していたシカゴ連銀のグールズビー総裁は、2026年には現在の予測中央値よりも多くの利下げが行われると予想していると述べた。
12月の会合後のブラックアウト(発言禁止)期間が12日に終了したため、FRBの他の数人のメンバーも発言する予定である。トレーダーたちは、1月の金利据え置きについてパウエル氏の見解にFRBメンバーが同意するか否かについて、何らかのヒントを探すだろう。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:12月11日のビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Plunges Below $90K as AI Worries Drag Nasdaq, Crypto Stocks Down


