- 暗号資産（仮想通貨）は下落して週を始め、ビットコインは8万5600ドルまで後退、イーサリアムは3000ドルを下回った。
- この値動きは、ビットコインが米国取引時間中に他の時間帯よりも大幅に劣るパフォーマンスを示す明確なパターンを継続している。
- 暗号資産関連株も打撃を受け、Strategy（ストラテジー）とCircle（サークル）はともに、7％下落。Coinbase（コインベース）は5％超下落し、暗号資産マイナーのCleanSpark（クリーンスパーク）、Hut 8（ハット8）、TeraWulf（テラウルフ）は10％超急落した。
主要暗号資産は米国時間12月15日午前、値下がりし、米国株式取引時間中の相対的な不振という、最近明白になっているパターンを継続した。
夜間は9万ドル手前でほぼ横ばいで推移していたビットコイン（BTC）は、米東部時間午後の早い時間帯には8万5600ドルまで急落し、過去24時間で3.6%下落した。
米取引時間帯におけるビットコインの相対的な不振は、一見すると米国投資家の需要低迷を示唆するが、2024年1月に運用開始したビットコイン現物ETF（上場投資信託）の仕組みが関係している可能性がある。
「iシェアーズ・ビットコイン・トラストETF（ iShares Bitcoin Trust ETF：IBIT）の取引開始以降、時間外取引（終値買い・翌営業日始値売り）のみで保有した場合、ビットコインは222％上昇している」と、ビスポーク・インベストメント（Bespoke Investment）はXへの投稿で指摘。
「一方、日中取引（始値買い・終値売り）のみで保有した場合、40.5％下落している」と続けた。
暗号資産関連株も週初から大幅安で、ストラテジーとサークルはいずれも約7％下落した。コインベースは5％超下落。取引プラットフォームのRobinhood（ロビンフッド）とeToroは、小幅な2％前後の下落に留まった。
予測市場追加の承認で先週後半に急騰したブローカーのGemini（ジェミナイ）は、15日には10％反落した。
暗号通貨マイナー株も下落傾向を継続。人工知能への懸念から先週打撃を受けたデータセンターインフラ関連銘柄と密接に関連する銘柄が多く、クリーンスパーク、Cipher Mining（サイファー・マイニング）、ハット8、テラウルフはいずれも10％超の下落を記録した。
対照的に、ナスダックとS&P500は小幅な下落にとどまり、暗号資産特有の弱さを浮き彫りにした。
今週のマクロ経済ニュース
長期閉鎖から米政府が段階的に再開する中、労働統計局は今週、10月と11月の雇用統計を発表予定。このデータは、米連邦準備制度理事会（FRB）が2026年初頭に利下げを継続するかどうかの判断材料として注目される。
一方、日本銀行は約1年ぶりに政策金利の引き上げが予想されている。
イングランド銀行と欧州中央銀行も今週後半に会合を開き、金融政策を協議する予定だ。
ビットコインはどこまで下落するか
15日の乱高下にもかかわらず、ビットコインは依然として11月下旬の安値8万ドルを上回り、12月上旬の高値9万4000ドルを下回るレンジ相場で推移している。
取引所のオーダーブックデータを確認すると、最も流動性の高いビットコイン/テザー（USDT）ペアでは買い注文が8万5000ドル付近に集中しており、これが価格下落を食い止め、少なくとも短期的な下支えとなる可能性がある。
ウィンターミュート（Wintermute ）OTCトレーダー、ジャスパー・デ・マーレ（Jasper De Maere）氏によれば、年末の暗号資産相場上昇の可能性が薄れる中、投資家はリスクを縮小しているが、売りは秩序を保った状態が続いているという。
デ・マーレ氏は15日発表のレポートで、「年末の明確な上昇が実現しなかったことで短期的な脆弱性が生じたが、これまでの価格動向は完全なリスク回避というより、調整とポジション整理を反映している」と指摘し、次のように続けた。
「これは依然として構造的な転換というより、年末の消化段階のように思われる」。
｜翻訳・編集：山口晶子
｜画像：12月15日のビットコインの値動き（CoinDesk）
｜原文：Bitcoin Plunges Below $86K as Crypto Weakness Worsens
