クジラの戦略:Strategy、American Bitcoin、エルサルバドルが10億ドル分のビットコイン購入発表──価格は2週間ぶりの安値8万5000ドル付近へ【マーケット分析】
  • ビットコインは8万5600ドルまで下落。8万8000ドルのサポートゾーンを割り込み、6億1500万ドルあまりが清算された。
  • ストラテジー、アメリカン・ビットコイン、エルサルバドルは、下落局面の中、合計10億ドル超のビットコインを購入している。
  • オンチェーンデータはクジラ(大口保有者)による買い集めの初期兆候を示しているが、8万ドルへの下振れリスクは依然として残る。

ビットコインは8万8000ドルを割り、清算が加速

ビットコイン(BTC)は15日に急落し、重要な8万8000ドルのサポートを失った後、8万5600ドルまで下落した。デリバティブ市場では連鎖的な清算が発生し、下落の勢いが増幅された。Coinglassのデータによると、24時間で18万0460人以上のトレーダーが清算され、当記事執筆時点での清算総額は6億1500万ドルを超えた。

〈ビットコインは過去3日連続で3083BTC(約2億6500万ドル)の純流入を記録した。出典:CryptoQuant〉

オンチェーンデータは、今回の下落が主に短期保有者とレバレッジ取引を行うトレーダーによって主導されたことを示している。CryptoQuantの取引所ネットフロー指標によると、ビットコインは過去3日連続で2254BTCの純流入を記録しており、現在の価格で約1億9300万ドルに相当する。12月12日から15日にかけて取引所残高が増加していることは、先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)後に価格が9万5000ドルを上抜けできなかったことを受け、継続的な売却意図が存在することを裏付けている。

取引所への流入増加と強制清算が重なった結果、ビットコイン価格は急速に下落し、2週間ぶりの安値水準まで下落した。

ストラテジー、アメリカン・ビットコイン、エルサルバドルが10億ドル相当購入

ビットコインが下落する中、長期保有志向の機関投資家は積極的に動いた。米国拠点のDAT(デジタルアセットトレジャリー)企業であるStrategy(ストラテジー)とAmerican Bitcoin(アメリカン・ビットコイン)、そしてエルサルバドルは、合計で10億ドルを超えるビットコインを購入した。

DATとして最大のBTCを保有するストラテジーは、1万645BTCを9億8000万ドルで追加購入、これは7月以降で最大の購入となる。同社は今月現時点までに2万1268BTCを購入しており、同社を率いるマイケル・セイラー氏はXへの謎めいた投稿で、長期保有姿勢を改めて示した。

アメリカン・ビットコインも261BTCを追加し、総保有量を5044BTCに引き上げた。トランプ大統領支持を掲げる同社は、マイニングと保有を手がける企業で、ビットコイン保有量では21位となっている。

〈ビットコインの平均注文サイズを見ると、2025年12月15日にクジラは活発な動きを見せた。出典:CryptoQuant〉

一方、エルサルバドルのビットコイン準備金は7500BTCを超え、評価額は6億7000万ドル以上となった。エルサルバドルは日次購入政策を維持している。ビットコインのオンチェーントランザクションデータには、クジラによる10億ドル規模の買いが反映されている。CryptoQuantのデータによると、ビットコインの現物平均注文サイズは1.1BTCとプラスに転じ、11月25日以来初めて、クジラ主導の状況が示された。

クジラの需要は8万ドルへの下落を防げるか

テクニカル面では、ビットコインは依然として圧力下にあるものの、初期的な安定化の兆しも見られる。週足チャートは、価格は20週および50週移動平均線を下回って推移しており、上値は10万6000ドルから10万7000ドル付近で抑えられている。パラボリックSARは価格の上方に位置しており、明確な反転が現れるまでは弱気トレンドのバイアスが続くことを示している。

〈ビットコイン(BTC)テクニカル分析|2025年12月15日〉

RSIは36付近にあり、売られ過ぎ水準に近づいているが、反転を示す明確なシグナルはまだ確認されていない。これは下落リスクが依然として有効である一方、その勢いが鈍化しつつあることを示している。ボリンジャーバンドでは、価格は下限バンド付近の8万2600ドル近辺で推移しており、重要な下値水準として注目される。

ブレイクアウト確率モデルでは、下方向への継続リスクが54.44%、上方向への回復シナリオが33.33%と示されている。8万8000ドルを回復できなければ、ビットコインは8万ドル付近まで、さらに深い調整に入る可能性がある。一方、週足で9万2000ドルを上回れば、10万ドル、そして主要なトレンドレジスタンスが位置する10万6000ドルへの反発確率が高まる。

現時点では、クジラの買い増しが下支えとなっているが、その確認には、持続的な需要と20日移動平均線付近である9万ドル超への回復が必要となる。

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