ビットコインは8万8000ドルに反落──上昇はすぐに消え去った
  • 17日のアメリカの取引時間序盤で発生した暗号資産の上昇はほぼ瞬時に反転した。ビットコインは急騰して9万ドルを超えたものの、数分後には8万7000ドル付近まで反落した。
  • 人工知能(AI)関連の人気銘柄であるエヌビディア、ブロードコム、オラクルの株価は急落し、ナスダック総合指数を1%以上下落させた。

暗号資産(仮想通貨)市場はアメリカの取引時間午前に激しく上下する値動きに見舞われた。ビットコイン(BTC)は数分間で8万7000ドル(約1349万円、1ドル155円換算)付近から9万ドル超まで上昇し、その後8万7000ドル付近まで反落した。

ビットコインは、本記事執筆時点で8万7300ドルで取引されており、過去24時間では0.5%下落している。この数分前には3%以上上昇していた。

この急落は、人工知能(AI)関連銘柄の急落と同時に起きたもので、エヌビディア(NVIDIA)、ブロードコム(Broadcom)、オラクル(Oracle)は3%~6%の下落に見舞われた。テクノロジー銘柄中心のナスダック(Nasdaq)は1%以上下落した。

ブルー・オウル・キャピタル(Blue Owl Capital)がミシガン州のオラクルのデータセンターに関する100億ドル(約1兆5500億円)規模の取引に対する資金拠出から撤退したとの報道は、AI関連のセンチメントを冷やす一因となった。

コイングラス(CoinGlass)のデータによると、この急激な価格変動により、過去4時間で暗号資産デリバティブ市場全体で1億9000万ドル(約295億円)以上の清算が発生した。この変動の激しい動きにより、価格上昇から利益を得ようとするロングポジションは7200万ドル、価格下落に賭けるショートポジションは1億2100万ドルが清算された。

ビットコイン利回りプロトコル「テラハッシュ(TeraHash)」の共同創設者であるハンター・ロジャーズ(Hunter Rogers)氏はメモの中で、ビットコインの方向性のない取引の主な原因は流動性の低下であり、外的圧力に対して脆弱になっていると述べた。

同氏は、「現在、市場は疲弊していると思う」とし、「このような環境では、軽い売りさえも市場を押し下げる」と指摘した。

同氏はさらに、ビットコインは8万ドルから8万5000ドルの水準をサポート水準として維持する必要があると述べた。この水準が、安値更新か、より持続可能な反発かの分かれ目となる可能性があるという。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin tumbles back below $88,000 as gains evaporate as quickly as they formed

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