- みずほの調査によると、ロビンフッドとコインベースの利用者は、利用者ではない人よりも予測市場を利用する可能性が約9倍高い。
- 報告書によれば、ロビンフッド利用者の約50%が予測市場に新規資金を投入する計画であり、コインベース利用者の37%は活動資金を調達するために暗号資産を売却するつもりだ。
- みずほ証券はロビンフッドの2026~2027年の収益予想を引き上げ、目標株価172ドルを維持した。一方、コインベースの目標株価は280ドルに下方修正した。
みずほの調査によると、ロビンフッド(Robinhood)は、ユーザーが既存の保有資産を売却するのではなく、新たな資金を投入するため、コインベース(Coinbase)よりも予測市場からより多くの収益増が見込めるという。
アナリストのダン・ドレフ(Dan Dolev)氏とアレクサンダー・ジェンキンズ(Alexander Jenkins)氏は12月16日の報告書で、「ロビンフッドのユーザーは、予測市場ポートフォリオに新たな資金を投入する傾向が強いことが調査で明らかになったことを踏まえると、ロビンフッドはコインベースよりも収益面で大きなメリットを得られるだろう」と記している。
彼らは、ロビンフッドとコインベースのユーザーは、他の投資家よりも予測市場で取引を行う可能性がはるかに高く、その活動は経済および政治的なイベントに偏っていることを発見した。みずほは、予測市場の活動が暗号資産(仮想通貨)取引を食いつぶす可能性があるという懸念から、ロビンフッドの収益予測を引き上げたが、コインベースの目標株価は引き下げた。
みずほは230人以上のロビンフッドおよびコインベースユーザーを対象に調査し、2つの取引所のアプリを使用していない回答者よりも予測市場に参加する可能性が約9倍高いことを発見した。経済イベント(81%)と政治イベント(49%)が回答者の中で最も人気のあるテーマであり、スポーツ(47%)がそれに続いたと、みずほは述べている。
報告書によれば、取引資金の調達方法で両プラットフォームには違いが見られる。ロビンフッド利用者の約50%が予測市場取引に新規資金を充てる意向を示した一方、従来型ポートフォリオや暗号資産の売却を主な資金源とする回答は大幅に低かった(それぞれ12%、10%)。
一方、コインベースのユーザーは、資金源として暗号資産売却(37%)と新規資金投入(37%)を最も多く挙げた。アナリストは「予測市場が既存の暗号資産取引収益を食い荒らすリスク」だと指摘した。
この資金調達の姿勢から、アナリストらは中期的にはコインベースよりもロビンフッドの収益増加幅が大きいと見ている。ただしコインベース・ユーザーは1年後に予測市場へ配分するポートフォリオ比率がわずかに高い(15%。対してロビンフッドは13%)。
ロビンフッドの予測市場事業は第4四半期に年間換算で約3億ドル(約465億円、1ドル=155円換算)のペースで推移し、10月には約25億件の契約数を記録した。これを受け、みずほは、同社の2026~2027年収益予想を6~7%上方修正した。みずほはロビンフッド株に対する「アウトパフォーム」の評価と172ドルの目標株価を維持した。
コインベースは近々、予測市場商品をローンチする予定だが、みずほはこれを前向きな一歩と評価しつつも、現時点では評価の変更には至らないとしている。
みずほは、最終的な商品設計や経済性に関する不確実性、取引資金調達のための暗号資産売却の可能性を考慮し、コインベースのモデルには予測市場による上振れ要素が組み込まれていないと説明した。みずほはまた、予想を下回る第4四半期の動向とビットコイン価格の下落を理由に、コインベースの目標株価を320ドルから280ドルに引き下げ、同株に対する「中立」評価を再確認した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Robinhood looks better placed than Coinbase for prediction-market upside, Mizuho says
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