- PYUSDは、GPUやデータセンターを含むAIインフラ向けのUSD.AIのオンチェーンファイナンスを支援するために使用される。
- 1年間のインセンティブプログラムでは、最大10億ドルの顧客預金に対して4.5%の利回りが提供される。
- この開発は、AIインフラへの支出が加速する中で、プログラマブルドル決済の需要が高まっていることを浮き彫りにしている。
ペイパル(PayPal)は、自社発行のステーブルコイン「PYUSD」の役割をAI(人工知能)金融分野へ拡大する。これは、AI企業向け融資を提供するステーブルコインプロトコル「USD.AI」が開発したオンチェーン資金調達メカニズムと連携するものだ。
12月18日にCoinDeskへ共有された発表によると、USD.AIによるGPU、データセンター、関連AIインフラ向け融資はPYUSD建てとなり、借り手はペイパルの口座で直接資金を受け取る。
この手法は、使い慣れた決済ワークフローと長期融資、レンタル、そして新興のエージェント主導型取引に適したプログラム可能な決済を組み合わせることを意図している。また、暗号資産(仮想通貨)以外の資本集約型産業において、ステーブルコインが決済手段として活用できることを示す事例でもある。
ステーブルコインは、使用量や契約に連動した自動決済ロジックをサポートしつつ、多額の資本を迅速かつ透明性高く移動させる手段を提供する。
この動きは、AIインフラ需要が急増する中で行われた。モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は、世界のAIコンピューティング支出が2029年までに6兆7000億ドル(1038兆5000億円、1ドル=155円換算)に達すると予測しており、従来の資本市場や決済システムに圧力をかけることになる。UBSは5月、今年のAI向け資本支出は約3600億ドル(約55兆8000億円)に達すると発表した。
採用促進のため、ペイパルとUSD.AI財団は1月から1年間の顧客インセンティブプログラムを導入する。口座残高10億ドル(約1550億円)までに対し、4.5%の報酬を提供するというものだ。
USD.AIはGPUをトークン化された担保に変換することで、6億5000万ドル(1007億5000万円)超のオンチェーン・コンピューティング担保資産を確保した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:PayPal to use PYUSD stablecoin to fund AI infrastructure through USD.AI
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