アンドロイドとブロックチェーンモードを行き来できる、プンディXの新型スマートフォン

ブロックチェーンデバイス製造スタートアップのプンディX(Pundi X)は、今年後半に発売予定のブロックチェーンフォンの新たな仕様を発表した。

バルセロナで開催された、世界最大級のモバイル見本市「モバイル・ワールド・コングレス(Mobile World Congress)」にて披露されたプンディXのスマートフォン「Xフォン(XPhone)」は、アンドロイドアプリに対応する、従来のスマートフォンのようなモードとデバイスに搭載された「分散型アプリ(DApps)」を利用できる「ブロックチェーンモード」の2つのモードを切り替えて使用することが可能。

同社は、ユーザーはボタン1つでモードを切り替えられるとブログ投稿で説明している。また、この機能は、グーグルのモバイルOS「アンドロイド9.0」とアンドロイドをベースとした同社独自のOS「ファンクションX(Function X)」の両方を搭載することで実現できたとも。

「ブロックチェーンを活用した通話やメッセージ送信機能のオンオフは、アンドロイド9.0をベースに構築されたモバイルOS上で切り替えられる」と同社は2019年2月25日月曜日(現地時間)に述べている。

同社によると、Xフォンは独自のピア・ ツー・ピア(P2P)ネットワークを利用することで、携帯キャリアなしでの通話が可能。昨年、Xフォンを初めて発表した際にその機能を実演している。

同社は昨年10月に実際に稼働するプロトタイプのデモンストレーションを披露したばかり。しかし、同社最新のブログ投稿には、Xフォンの仕様がアップグレードされ、ミドルレンジのプロセッサ、6ギガバイトのRAM、そしてその他の機能を搭載して発売される予定だと記されている。(スペック表の注意書きによると、デザインはまだ変更する可能性がある)

発売時の小売価格は599ドル(約6万7000円)となる予定。宏達国際電子(HTC)の「エクソダス1(EXODUS 1 )」、サムスンの「ギャラクシーS10(Galaxy S10)」、シリンラボ(Sirin Labs)の「フィニー(Finney)」といった、その他のブロックチェーンフォンよりも安い。しかし、Xフォンのウェブサイトによると、Xフォンはわずか5000台しか生産されない。また、同社は現在「2019年後半」に発売開始することを目標としているが、具体的なリリース日は発表していない。

先週のモバイル・ワールド・コングレスでは、HTCサムスン、そして仮想通貨マイニングが可能なスマートフォンを発表した、エレクトロニウム(Electroneum)など、プンディX以外からもブロックチェーン関連の発表があった。もっとも、エレクトロニウムが発表したスマートフォンは、発展途上国向けの低価格デバイスだが。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:XPhone images via Pundi X YouTube; Pundi X blog
原文:Pundi X’s New Phone Can Switch Between Blockchain and Android