Image courtesy of Ledger

中央アジアの子供たちにブロックチェーンが必要な理由。ユニセフが急ピッチで進める試みとは

Brady Dale
公開日:2019年 3月 11日 11:00
更新日:2019年 3月 12日 09:27

国連児童基金(ユニセフ)が中央アジアのキルギスで、ブロックチェーンを活用した試みを行おうとしている。毎日学校に通う子供たちがどれだけインターネットにアクセスできているかを調べるのが目的だという。

プロジェクト・コネクト(Project Connect)と呼ばれる取り組みの一環として、ユニセフはブロックチェーンを使って、キルギスの教育機関におけるインターネット接続の状況を調べるため、同国の1500を超える小学校などと連携しようとしている。

「試みは始まったばかりだが、ユニセフとキルギス政府、そして民間企業とが連携して、全ての学校がインターネットにアクセスでき、そこに通うすべての子供たちが多くの情報を得られる環境を作り上げていきたい」と、ユニセフ・キルギス副代表のMunir Mammadzade氏は言う。

ユニセフが進めているプロジェクト・コネクトでは現在までに、世界で15万を超える教育機関のインターネット接続の状況を調査してきた。そのうちの1560校がキルギスの学校で、その半数近くがインターネット接続ができないか、または実態が把握できない状況だという。

ユニセフ・ベンチャーズのクリス・ファビアン(Chris Fabian)氏は、「全てを急ピッチで進めている。ブロックチェーンがどの部分でその役割を果たせるのかは、一目瞭然となるだろう」と話す。「政府や企業からの寄附金で、キルギスの教育機関全体がインターネットに接続できるようにしたいと考えるなら、ただお金を送って2年後には何かが良くなっているだろうという漠然としたものより、実現できる責任のある方法で進めるべきではないだろうか」と、ファビアン氏はCoinDeskの取材で語った。

ブロックチェーンベンチャーに資金提供

ファビアン氏は、ブロックチェーンを使うことで、教育機関やその他の公共機関のインターネットアクセスの状況を把握しやすくなると述べ、ユニセフ・イノベーション・ファンドが2018年12月にそれぞれ10万ドルの資金提供を行なった2つのブロックチェーン企業の例をあげた。

その一つはチュニジアのベンチャー企業、Utopixar。同社は、ブロックチェーンの基盤を使って、コミュニティーが「インパクト・トークン」と呼ばれるトークンを発行、交換できる仕組みを開発している。インパクト・トークンは、コミュニティー内で社会問題や環境問題の解決に取り組む個人やグループに与えられ、後に法定通貨や割引券に換えられる。

二つ目は、バングラデシュを拠点に事業をするベンチャー、W3Engineers。アプリ開発とコンサルティングを行うW3Enginnersが考えているのは、個人や事業者が、デジタル情報の単位自体(メガバイトやギガバイトなど)を売買できる仕組みだという。ファビアン氏の言葉を借りれば、ギガバイトを再分配する方法で、プロジェクト・コネクトでインターネットの接続コストを算出する際に、役に立つかもしれない。

ユニセフは、1946年に戦争で被災した子どもに対する緊急支援を行う機関として設立。以来、世界190以上の国と地域で子どもの権利が守られる世界を実現しようと、保険、栄養、水・衛星、教育、HIV・エイズ、緊急支援などの活動を行なっている。

ユニセフは2018年6月、仮想通貨のマイニングで資金を集めるための、寄付専用のユニークなウェブサイトを立ち上げている。寄付者の数は2万8000人近くまで増えたと報告している。

「我々のブロックチェーンを基盤とする取り組みは、プロトタイプを用いて、多くの失敗と学びを繰り返してやってきた。(キルギスのプロジェクトに関しては)今まさに始まったばかり」とファビアン氏は加えた。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Yurt in Kyrgyzstan image via Shutterstock
原文:UNICEF Explores Blockchain to Improve Internet for ‘Every School’ in Kyrgyzstan