ドル懸念は深まっているのか──バフェットの金鉱山開発株の購入にざわめくウォール街

ドルが下落していると考えるのは、ビットコイナーだけではなくなった。

ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが金鉱山会社の株式を取得したことが報じられると、コメンテーターたちはバフェット氏がアメリカ経済の後退やドル下落に賭けているのではないかと考え始めた。

一方、ビットコインのアナリストや投資家は、バフェット氏がこうした行動を取るのに、なぜこれほどの時間がかかったのかとコメントする。米FRB(連邦準備制度理事会)は今年、金融システムに何兆ドルもの資金を投入し、アメリカが抱える債務をさらに膨らませているからだ。

「FRBがドルを増刷し続けていることは、明らかにバフェット氏自身とバークシャー・ハサウェイの取締役会に懸念を与えている」と、外国為替・暗号資産(仮想通貨)調査会社、クオンタム・エコノミクス(Quantum Economics)のマティ・グリーンスパン(Mati Greenspan)氏は話す。

「債券や国債がもはや価値を持たなくなった世界にどう反応すべきか?バフェット氏はおそらくよく分かっていないのだろう。一方で、確信を持って反応している人たちもいる」

ゴールドマン・サックスも方向転換?

暗号資産コミュニティには、伝統型金融システムは持続可能なものではないという自分たちの長年の考え方が、ついにウォール街の専門家や主流投資家の間で勢いを得ているという感覚がある。

アメリカ経済やドルに対する懸念が広がれば、ビットコイン価格はさらに上昇する可能性がある。多くのデジタル資産投資家は、金(ゴールド)と同様にインフレに対するヘッジとしてビットコインを捉えている。

今年5月にビットコインを「適切な投資ではない」と酷評したゴールドマン・サックスは、8月、新たにデジタル資産責任者を採用し、機関投資家顧客の暗号資産への関心が高まっていることを認めた。同社は7月、ドルは世界の基軸通貨としてのポジションを失うリスクがあると警告した。

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50年にわたってウォール街でアナリストとしてのキャリアを重ね、証券会社Odeonに勤めるディック・ボウブ(Dick Bove)氏は、ドルが支配する金融システムは、デジタル通貨を含む複数の通貨システムによる挑戦の中で、終わりの時を迎えるかもしれないとレポートで述べた。

「ビットコインをインフレに対するヘッジや健全な投資と捉えることは、暗号資産バブルの外にいる影響力を持った人たちによって、きわめて明瞭に表現されている」と、デジタル資産分析会社のメッサーリ(Messari)は述べた。

基軸通貨としてのドル覇権にかげり?

ビットコインや他の暗号資産が答えになるかどうかは別にして、アメリカの財政がより不安定になっているという、消えることのない懸念が投資家から消え去る兆しはほとんどない。

ゴールドマン・サックスのエコノミストたちは8月14日付のレポートで、FRBは2020年末までに8000億ドル(約85兆円)を、2021年には1兆3000億ドル(約138兆円)を金融市場に注入すると予測した。

バンク・オブ・アメリカによると、「基軸通貨としてのドル覇権の崩壊」に備えるために、投資家は「ポートフォリオをドル資産から」移行させる可能性があるという。

「国家の危機は、脱ドル化のプロセスを加速させる可能性のある一つの大きな動き」とバンク・オブ・アメリカは述べ、11月の大統領選挙は「激しい対立」を生み、「激戦」となる可能性があると指摘した。

同行によると、債券運用者を対象にした最近の調査では、回答者の半数近くが、海外の中央銀行はドルの準備高とドル建て資産を来年にかけて減らすと考えていることが明らかになった。

ビットコイン強気派には、当たり前のことだろう。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Shutterstock
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