中国・海南省、病院がブロックチェーンで請求書を発行──省内で初のケース

中国南部の海南省にある公立病院「澄邁県(ちょうまいけん)人民病院」は1月11日、ブロックチェーンベースの請求書管理プラットフォームを使って、初めて患者に電子請求書を送信した。ブロックチェーンで請求書を発行、記録する同省で最初の病院となった。中国国営通信社の中国新聞社が伝えた。

中国国内初のケースではないが、海南省は公共機関のオンライン行政プラットフォームにブロックチェーン技術を組み込む取り組みに成功した数少ない省の1つだ。

同人民病院は、患者のスマートフォンの「チケットホルダー」と呼ばれるところに請求書を送付した。記事によると、患者は病院に行かずに、医療記録や還付のための請求記録を確認できるという。

このプラットフォームは現在、市内のみで利用可能だが、地元政府は公共機関の公式文書処理にブロックチェーン技術を採用することに注力しており、今後、同省の他の地域にもサービスを拡大する予定だ。

「パイロットプロジェクトを推進することで、我々はブロックチェーンベースのプラットフォームを最適化し、多くの行政業務をブロックチェーンに移行していく。これにより政府機関は同じシステムを通じて情報を共有できるようになる」と同省担当者は語った。

ブロックチェーン企業の誘致政策

海南省は、ブロックチェーン企業を誘致するために優遇的な経済政策を取っている。同省の省都である海口市には、フォビ・チャイナ(Huobi China)など、複数の大手中国系ブロックチェーン企業の本社がある。

習近平国家主席が2019年9月、ブロックチェーン技術開発のための「チャンスをつかむ」ように呼びかけて以来、海南省政府はさまざまなブロックチェーン・イノベーション構想を推進している。

中国政府は、ブロックチェーンを使って資本市場により優れたサービスを提供するよう金融サービス企業を支援する総合的な計画を明らかにした。また上海市は、財政的支援と知的支援を与える戦略的に重要なハイテク企業57社の中に、2つのブロックチェーンプロジェクトを含めている。

|翻訳:山口晶子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:万里の長城(Shutterstock)
|原文:Chinese Hospital Issues First Electronic Bill on Blockchain