ビットコイン、米ドルの流動性低下と債務上限問題の再来で5カ月ぶりの大幅下落

債券利回りが上昇し、米ドルの流動性が低下したため、4月17日から23日の1週間で、ビットコイン(BTC)は大きな売り圧力に直面した。

TradingViewと米CoinDeskのデータによると、時価総額でトップの暗号資産(仮想通貨)は9%下落して2万7600ドルになり、11月初旬以来、単週で最大の下落率を記録した。米国債10年物の利回りは0.6%上昇して3.58%となり、2週連続で上昇し、暗号資産などのリスク資産の魅力に水を差した。

ビットコインの価格チャート(CoinDesk/Highcharts.com)

TradingViewのデータによると、通貨システムにおける米ドルの供給量を追跡する指標である米ドル流動性条件指数は6兆1300億ドルに低下し、1カ月以上ぶりの低水準になったという。また、トレーダーはアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が5月に0.25%の利上げを行い、引き締めサイクルを継続する可能性が高いと見ている。

2021年以降、ビットコインとその他の暗号資産市場は、ドル流動性指数の局所的なピークと底を密接に追跡してきた。ビットコインは、FRBが銀行危機を抑えるために流動性の蛇口を開き、ドル流動性指数を5兆8200億ドルから6兆3500億ドルへと押し上げたため、3月前半に当時の高値である2万8000ドルまで上昇した。

「金融流動性の面で心強い兆候がない中、BTCは月曜日に急落した後、他の主な暗号資産を引きずりながら下降し続けた」と人気のニュースレター「Crypto Is Macro Now」の著者、ノエル・アチェソン(Noelle Acheson)氏はニュースレターの週末版で書いている。

「BTCは、他の資産グループが苦しんでいるときにアウトパフォームするはずの『保険』資産である一方、金融流動性期待に大きく左右される全体的なマクロムードに強く影響される」とアチェソン氏は付け加えた。

パリに拠点を置く暗号資産データ企業カイコ(Kaiko)のリサーチアナリスト、デシスラバ・ラネバ(Dessislava Laneva)氏によると、アメリカの債務上限問題の影響で、ビットコインや金融市場全般で短期的に価格のボラティリティが増加する可能性がある。

アメリカ政府は1月に債務が法定債務限度額(自ら課した借入限度額)の31兆4000億ドルに達し、財務省は少なくとも5カ月間は政府が義務を果たすための特別措置を実施することを余儀なくされた。これらの措置は、ドルの流動性を高め、リスク資産の買いを維持した。

それ以来、債務上限交渉は行き詰まりを見せている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、先週、今後12カ月間の政府の債務不履行に対する保険のコストを測定するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が過去最高値に上昇した。

CDS市場における現在の価格は、デフォルトの確率が2%であることを示している。ニューヨークを拠点とするMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)のポートフォリオ・マネジメント・リサーチ責任者であるアンディ・スパークス(Andy Sparks)氏はWSJに、「金融危機になり得るものにしては、不快なほど高い」と述べた。

観測筋は、財務省が6月に資金を使い果たすかもしれないと心配している。

「債務上限のドラマは短期的な変動要因であり、市場に不確実性をもたらしている」とラネバ氏は米CoinDeskに語っている。

ビットコインは依然としてリスク資産と見なされており、ある時点で株式が投げ売りされれば、売り圧力に直面する可能性がある。2011年の債務上限問題では、ワシントンの行き詰まりから、トリプルAソブリン格付けを失うことになり、リスク資産が打撃を受けた。

「今年後半に予想される取引が成立すれば、財務省は準備金を補充する必要があり、それによって流動性が低下し、量的引き締め(利上げ)の影響が悪化する…この状況はFRBの利下げを促すかもしれず、最終的にリスク資産に利益をもたらすだろう」とラネバ氏は述べている。

暗号資産データ企業メッサーリ(Messari)のアナリスト、トム・ダンリービー(Tom Dunleavy)氏によると、デフォルトの可能性がある場合、3月の銀行危機の時のように、ビットコインがヘイブン買いを集めるかもしれないという。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk/Highcharts.com
|原文:Bitcoin Posts Biggest Weekly Loss in Five Months as Dollar Liquidity Declines, Debt Ceiling Fears Return