7月末に閉館を迎える渋谷のWeb3拠点「Centrum(セントラム)」で25日、活動の締めくくりとなるClosing Partyが開かれ、ブロックチェーンの開発者や起業家、大学関係者らが約2年の歩みを振り返った。
Centrumは2023年8月、渋谷駅前の商業施設「MAGNET by SHIBUYA109」4階に開業。Web3領域に特化した常設コミュニティスペースとして、ブロックチェーンのコード監査サービスなどを手がけるモノバンドルが運営を担ってきた。
ビットコイン(Bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)、ソラナ(Solana)、アバランチ(Avalanche)、ベース(Base)など複数のチェーンに関するイベントを開催。開発者や起業家、一般参加者に加え、金融庁など行政関係者の来場もあったという。
累計来館者は1万1000人を超え、月間では約500人が訪問。国内Web3分野の交流拠点として定着し、Web3関連企業やスタートアップのためのコワーキングスペースも備えるなど専門性の高いネットワーク構築を支えてきた。
モノバンドル代表取締役の大畑誠弥氏はあいさつで、国内でWeb3が根付かない背景として、企業がWeb3を単なる「売上の手段」と見なしていることや、開発者の技術・文化へのリスペクト不足、業界の「内輪ノリ」の加速、クリエイターへの雑な扱いがあると指摘。その全文は、Web3型ブログプラットフォーム「Mirror」に公開されている。

さらに大畑氏はCentrumの後継として、ブロックチェーンや分散システム、Web3に対する信念を持つ開発者やアーティストらが生活を共にしながらプロダクト開発や研究する場を目指す実験的な「家」の設立を計画していると語った。
その後取材すると、都内の一軒家の賃貸契約をすでに結んでおり、自身もそこで生活しながらWeb3の土壌を育てていく意向を明らかにした。運営主体は継続してモノバンドルが担うという。Centrumが築いてきた国内Web3普及の土台が今後どのように展開されるか、引き続き注目が集まる。

|文:橋本祐樹
|トップ画像:Centrumの運営を担ったモノバンドル代表取締役の大畑誠弥氏


