NTTグループでWeb3を推進するNTT Digitalは7月30日、同社が提供するデジタルウォレット「scramberry WALLET」のアプリ提供を、2025年9月30日15時をもって終了すると発表した。
これに伴い、ユーザーは保有する暗号資産(仮想通貨)やNFTなどの資産を、サービス終了日時までに他のウォレットへ移行する必要がある。
同社によると、サービス終了後はアプリへのアクセスおよびサポートが完全にできなくなる。期限までに資産が移行されなかった場合、アプリ内に残された資産は利用不可能となり、それに対する同社からの補償は行われないとしている。
資産の移行方法としては2種類が提示されている。
一つは、現在使用しているウォレットアドレスを別のウォレットアプリへ引き継ぐ「エクスポート(移管)」。この方法はガス代(手数料)が不要で、 SBT(Soulbound Token:譲渡不可のNFT)を含む全資産を一括で移せるため、同社は特に希望がなければこの方法を推奨している。
もう一つの方法は、特定の暗号資産やNFTを選択し、個別に他のウォレットへ送信する「トランスファー(送信)」である。この場合、ガス代はユーザー負担となり、SBTの送信はできない。
同社は、事業者向けにデジタルウォレット機能を提供するソフトウェア連携サービス「scramberry WALLET SUITE」も展開していた。
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このサービス終了の影響は、早くも各所に及んでいる。
scramberry WALLETを導入している「鎌倉スタジアムNFTプロジェクト」の勝碕俊行氏は自身のXで「複雑な思いがありますが…。まず1平米オーナーNFTについては安心してください!当然他アプリでも利用可能ですし、元々Metamaskなどを利用している方も多く含まれます。とはいえ今回で困る方が居ることは確実ですので、最大限サポートします!」と呼び掛けた。
|文:栃山直樹
|画像:scramberry WALLETウェブサイトから(キャプチャ)
※編集部より:「scramberry WALLET SUITE」に関する記載に一部誤りがありました。お詫びして、訂正いたします。7月31日20時9分


