ボラティリティの低下により、ビットコインとストラテジーがリスク調整後リターンで優位に
  • ビットコインのインプライド・ボラティリティは37%と2年ぶりの低水準に近づいており、ストラテジー株のボラティリティは過去最高の140%から56%に低下している。
  • BTCのシャープ・レシオは2.15、ストラテジー株は2.00で、いずれも1.0付近で推移する大手テクノロジー銘柄を大きく上回っている。

ビットコイン(BTC)のリスク調整後パフォーマンスは引き続き際立っており、シャープ・レシオは主要資産の中で最も高い2.15だ。これは、ボラティリティの高さと比較して、ビットコインが歴史的に見て並外れたリターンを上げてきたことを意味する。

ビットコインへの大きなエクスポージャーを維持しているストラテジー(Strategy)株は、シャープ・レシオ2.00でこれに続き、同様に力強いパフォーマンスを示している。

シャープ・レシオが2ということは、リスクフリーレートに対する超過リターンが、リスク(ボラティリティ)あたり2倍であることを意味し、リスク調整後パフォーマンスの観点からは優れた水準とされている。

ちなみに、いくつかの大型テクノロジー銘柄はシャープ・レシオ1.0付近に集中している。

ストラテジー・ダッシュボードによると、このデータは株式については8月14日、ビットコインについては8月15日時点のものだ。

最近、両銘柄にとって主要な原動力となっているのは、ボラティリティの圧縮だ。ビットコインのインプライド・ボラティリティ(IV)は37%と2年ぶりの低水準となっており、市場参加者は短期的に価格変動がより安定すると予想していることを示唆している。

一方、K33リサーチ(K33 Research)のアナリスト、ヴェトレ・ルンデ(Vetle Lunde)氏は、「低ボラティリティは成熟の証だ」と述べ、過去6カ月間でS&P500構成銘柄の上位100社のうち30%のボラティリティがビットコインよりも高かったと指摘している。これは、この暗号資産(仮想通貨)がより成熟した資産クラスになりつつあることを示している。

対照的に、ストラテジーのIVはレバレッジをかけたビットコインの代替指標であるため56%と高くなっているが、ストラテジー・ダッシュボードによると、この数値は過去1年間に見られた極端な値(2024年12月の140%、2025年4月の120%超)を大きく下回っている。

バリュエーションの観点から見ると、ストラテジーの純資産価値(mNAV)倍率は、直近の第2四半期決算発表後、1.61倍となっている。同社は、永久優先株の配当支払いと債務利息の支払いを除き、mNAVが2.5倍を超えるまでは普通株の市場売出しを行わないと表明している。

年初来でビットコインは27%、ストラテジー株は24%上昇している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ストラテジーのマイケル・セイラー氏。(Nikhilesh De)
|原文:Bitcoin and Strategy Lead Risk-Adjusted Returns as Volatility Falls

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