SBIホールディングス代表取締役会長兼社長CEOの北尾吉孝氏が、8月22日に開催されたWeb3カンファレンス「WebX Fintech EXPO」で基調講演を行った。
講演に先立ち、同社はスターテイル・グループとの間で、トークン化された株式やRWA(現実資産)を扱う新しい取引プラットフォームを開発・提供するための合弁会社の設立を発表。
北尾氏はこの講演で当提携に言及し、「自由を求めてシンガポールで第2のSBIを設立」と題したパネルを背景に、新たなグローバル戦略を明らかにした。
同氏は、新会社について「SBI本体との資本関係、子会社とかそういう形にはしない」とし、日本の規制が直接及ばない独立した事業体としての設立を目指す方針を示した。
その理由として、北尾氏は日本の規制環境について言及。「日本は、残念ながら全てがスロー」と述べ、暗号資産の利益が最大55.95%の累進課税となる雑所得扱いの税制、暗号資産ETFが認可されない状況、個人投資家向けのレバレッジが最大2倍に制限されていること、海外発行ステーブルコインに課される移転上限といった複数の点を指摘した。
同氏は「これ(規制緩和)を早くしないと、日本でこういった分野で事業をやってて、世界中に負ける」と発言。起業家が日本の規制を理由にシンガポールやドバイへ拠点を移している現状にも触れた。
また北尾氏は、Web3メディア「CoinPost」を買収したことも発表した。
|文・写真:栃山直樹


