8月23日、Japan Blockchain Week summit AI editionが開催された。
冒頭の挨拶で、INTMAXの藤本真衣氏は、「今、私たちはAGI時代の入り口に立ってる。AIとWeb3の融合は単なるトレンドではない。この変革の時代について率直で前向きな議論をしたい」と語った。

続いて、暗号資産(仮想通貨)取引所「バイナンス」の創業者であり元CEOの「CZ」ことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏が登壇。釈放後、初めて日本の舞台に立った彼の登場に、会場の視線が集まった。ジャオ氏は、2023年11月、米国のマネーロンダリング(資金洗浄)防止法違反などで有罪認定されCEOを辞任。2024年4月には懲役4ヶ月の判決を受け、9月末に刑期を終えた後、暗号資産業界に復帰していた。
冒頭ジャオ氏は、「日本に来られてうれしい。私は何年も東京に住んでいたし、多くの友人がいる。私は日本を愛している」と語り、2018年の日本の災害時に、バイナンスが多額の寄付をしたのは当然のことと振り返った。

話題の中心は、AIとWeb3の融合についてだった。ジャオ氏は「AIとWeb3はさまざまなレベルでの相互連関がある」と指摘。AIはさらに多くのブロックチェーンのトランザクションを促進することになるという。例えば、AIにホテルを予約させたり、ランチの支払いをさせたり、記事を購読するための支払いをさせたり──こういったことは、AIがすべて対応できるようになると説明した。
また、AIエージェントは、Web3のユーザー体験を変えることになると強調。「例えば、『自分のポートフォリオを見せて。それから日本円の10%をBNB(ビルドアンドビルド)に換えて』という自然な会話で、裏側でAIが実行すればいいだけだ。バイナンスのプロダクトには、すべてのAPIが揃っていて技術的には何も障壁はなく、実現は時間の問題だ」と語った。
ではジャオ氏は、AIとWeb3が融合する未来をどのようにイメージしているのだろうか。
「10年後、今ある多くの仕事は置き換えられているだろう。しかしそれは、私たちがよりクリエイティブな仕事をする自由を生むことになる」とジャオ氏。また、AIに対する姿勢について、「AIはほぼすべての仕事に影響を与え、すべての仕事をより効率的にする。脅威に感じるなら、それを受け入れるべきだ。早く受け入れ、より多く使うほど有利になる」と述べた。

最後にメッセージを求められたジャオ氏は、「今は歴史上、最高の時代だ。インターネットとブロックチェーンとAIの3つのテクノロジーを組み合わせれば、チャンスは無数にある。今、暗号資産の価格が少し高いとしても心配せず、開発を続けてほしい」と語りセッションを締め括った。
|文:橋本史郎
|編集・撮影:CoinDesk JAPAN編集部


