- 米国で上場されているビットコイン現物ETF(上場投資信託)は、過去2番目に大きな月間資金流出を記録する見通しだ。
- アナリストらは、今月のビットコインの価格低迷はETFからの資金流出と関連しており、回復には大規模な資金流入が必要であると示唆した。
- 対照的に、イーサリアムETFには引き続き強い需要が見られ、今月は32億3000万ドルの資金流入を記録し、4月以来の好調を維持した。
ビットコイン(BTC)の強気派は今週、困難な課題に直面している。それは、10億ドル(約1470億円、1ドル=147円換算)近くを米国に上場されているETFに流入させ、上場された機関投資家向けの投資手段であるビットコイン現物ETFが、過去2番目に悪い成績を記録するのを防ぐことである。
ナスダックは2024年1月、11本のビットコイン現物ETFを上場し、投資家がコインをセルフカストディする必要なく、ビットコインへのエクスポージャーを得ることを可能にした。それ以来、これらのファンドは累計で539億ドルの投資家資金を集めている。
しかし、今月は状況が異なっている。データソースであるSoSoValueによると、これらのファンドは9億7200万ドルの純流出を記録し、これは2月の35億6000万ドルに次いで、登場以来2番目に大きな額である。8月29日までにフローがマイナスとなれば、4カ月続いた資金流入の流れは終わることになる。
アナリストらによると、ETFへの資金流入の鈍化は、今月のビットコインの芳しくない価格パフォーマンスの主な理由の一つである。現物価格は今月中旬に12万4000ドル超の史上最高値を記録し、直近では10万ドルをわずかに上回る水準で取引されている。
暗号資産(仮想通貨)金融サービスプラットフォームのMatrixportは26日の「Chart of the Day」で、「今月だけで、米国関税問題に揺れた2月の35億ドルのピークに次ぐ、過去2番目に高い流出額を記録する可能性がある。季節的な逆風は長く続かないかもしれないが、資金の流れと季節性が重要であることを思い出させる」と述べた。
同社は、マクロ経済や流動性の要因が最終的にビットコイン価格を押し上げる可能性があるとしても、今は「慎重に行動すべき」時期であると付け加えた。

10xリサーチ(10x Research)の創設者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏によると、コンセンサスとしては、ビットコインが年末に向けて引き続き上昇し、15万ドルを超える水準に達する可能性があるというものである。しかし、そのためにはかなりの資金流入が必要となる。
「ビットコインのマクロ的なストーリーだけが重要であると主張する者もいるが、実際の資本の流れがなければ、価格は上昇しない。15万ドルに達するには、ビットコインは今年全体で約4040億ドルの資金流入を必要とするだろう。これは、今から年末までにさらに1730億ドルが必要であることを意味する」と、ティーレン氏は26日に顧客へのメモで述べた。
「それは、2024年1月上旬以降のビットコインETFとストラテジー(Strategy)社からの合計配分額の2倍である」と、ティーレン氏は付け加えた。
イーサリアムETFが今月32億3000万ドルの純流入を記録し、4月以来の好調を継続していることにも注目である。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:sergeitokmakov/PIxabay
|原文:Bitcoin ETFs Need Almost $1B Inflows to Sidestep Second-Biggest Outflow on Record


