- 強気派が上昇軌道の再構築を試みる中、ビットコインは11万3600ドル付近で抵抗に直面している。
- 短期投資家はこの水準が損益分岐点で、売却する可能性があり、持続的な価格上昇を阻害する要因になるかもしれない。
ビットコイン(BTC)の強気派は価格上昇軌道の再構築を目指しているが、オンチェーンデータによると、11万3600ドル付近で売り手からの抵抗に直面する可能性がある。
CoinDeskのデータによると、ビットコインは8月26日に記録した10万8800ドルを下回る水準からすでに11万3000ドル以上に反発している。この反発は、S&P500の史上最高値更新と、時価総額で世界最大級の上場企業であり、人工知能(AI)の先駆者でもあるエヌビディア(Nvidia)の予想を上回る業績報告が原動力となっている可能性が高い。
損失を抱えて保有している投資家は、価格が反発した際に売却を検討する可能性があるため、今後の道のりは厳しいものとなる可能性がある。
「現在、ビットコインは1カ月保有(11万5600ドル)と3カ月保有(11万3600ドル)の両方のコストベースを下回って取引されており、これらの投資家はストレスにさらされている。そのため、こうした短期保有者は損益分岐点での売却を目指すため、いかなる救済的な上昇も抵抗に遭う可能性が高い」と、Glassnodeは27日に発表したレポートで述べた。
Glassnodeのコストベース指標は、保有期間の異なるウォレットが暗号資産(仮想通貨)を取得した平均購入価格を示している。例えば、3カ月保有のコストベースが11万3600ドルであることは、過去3カ月以内に資産を購入した投資家が平均してこの価格水準を支払ったことを示している。
流動性はまちまち
現時点では、現物市場の流動性は、強気派にとって今後の厳しい戦いを示唆しているが、ETF(上場投資信託)と企業活動はそうではないことを示唆している。
「現物需要は中立的だが、永久先物はCVDがマイナスで弱気傾向だ。現在の資金調達率(ファンディングレート)は約0.01%で脆弱な中立性を示している。価格が出来高とともに11万2400ドルを上回れば、11万4000ドルから11万6000ドルへの道が開かれる」と、BRNのリサーチ責任者であるティモシー・ミシール(Timothy Misir)氏は述べている。
とはいえ、ETFへの流入と企業によるBTC採用は引き続き市場から相当量の供給を吸い上げており、強気の期待感を与えているとミシール氏は説明した。
「ETFへの流入は引き続き増加しており、過去1日でビットコインETFに8100万ドル(約117億4500万円、1ドル=145円換算)、イーサリアムETFに3億700万ドル(約445億1500万円)が流入した。ETF、企業、そして政府は現在、1日あたり約3600BTCを吸収しており、これはマイナーの発行額の約4倍に相当する。メタプラネットは、9月から10月にかけて約1303億円を調達し、BTCを購入するという新たな計画を発表した。これは、現在保有している1万8991BTCにさらに追加されることになる」とミシール氏は指摘しました。
主要なサポートレベルは10万7000ドル
BTCが下落に転じた場合、注目すべき主要サポートレベルは10万7000ドルだ。
Glassnodeの分析によると、6カ月のコストベースがこの水準にあることが示されている。そのため、この水準を下抜ければ、保有資産の売却が促され、より深刻な下落につながる可能性がある。
Glassnodeは、「6カ月のコストベースは約10万7000ドル付近にある。この水準を継続的に下回ると、恐怖心が引き起こされ、下落の勢いが加速するだろう」と述べている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:As Bitcoin Bounces, On-Chain Data Point to Selling Pressure Near $113.6K


