- IRENの第4四半期決算を受け、ブローカーのカナコード（Canaccord）は、AIとマイニングのビジビリティがより強まったことを理由に、同社の目標株価を24ドルから37ドルに引き上げた。
- レポートによると、IRENの第4四半期のビットコインマイニング収益は1億8730万ドルに達し、業界でも有数の効率的なマイニング機器群がマイニングコストを1ビットコイン当たり3万6000ドルに抑えた。
- IREN株は8月29日、25％急騰している。
ブローカーのカナコード・ジェニュイティ（Canaccord Genuity）が8月29日に発表したリサーチレポートによると、ビットコインマイナーIRENの第4四半期決算報告は、ビットコインマイニングと人工知能インフラ事業の両方で急速な進歩を浮き彫りにした。
カナコードは、マイニングとAIの両方の収益ストリームにおけるビジビリティがより強固になったことを理由に、同社の株式に対する「買い」の評価を維持し、目標株価を24ドルから37ドルへと60％引き上げた。
IRENの株価は米国時間29日午前、25％高の28.75ドルとなった。
ジョセフ・ヴァフィ（Joseph Vafi）氏率いるアナリストたちは、IRENのマイニング部門は、50エクサハッシュ/秒（EH/s）の能力と、3.5セント/kWhの電力で稼働する15ジュール/テラハッシュ（J/TH）という業界でも有数の効率的なマイニング機器群が支えており、年間収益が10億ドル（約1470億円、1ドル＝147円換算）を超えたと指摘した。
これは、1枚のビットコインをマイニングするためのコストが3万6000ドルであり、市場水準を大きく下回っていることを意味する。
IRENの第4四半期のビットコインマイニング収益は1億8730万ドルとなり、前期比で33％増加した。一方、調整後EBITDA（利払い前・税引き前・減価償却前利益）は46％増加し、1億2190万ドルに達した。
カナコードのレポートは、IRENがAI部門では拡張を加速していると指摘した。IRENは、ハッシュレートを4倍にし、さらに1メガワットの電力容量を追加し、現在は合計3メガワットとなっており、2025年度にはさらなる成長が期待されている。
ハッシュレートとは、プルーフ・オブ・ワークのブロックチェーン上でマイニングを行い、トランザクションを処理するために使用される合計計算能力のことであり、業界の競争とマイニングの難易度の指標となるものである。
カナコードはまた、IRENが最近、エヌビディア（Nvidia）の「preferred partner（優先パートナー）」に認定されたことにも言及した。これは、追加で2400台のGPUを購入するという発表とほぼ同時に行われたことである。
2910MWの確保された電力容量と、業界でもとりわけ低いオールインキャッシュコストによってIRENは、ハイパフォーマンスコンピューティングにおいて大きな選択肢を持つ、最大かつ最も効率的な上場マイナーの一つになる位置につけていると、カナコードは主張している。
｜翻訳・編集：山口晶子
｜画像：Michal Bednarek/Shutterstock
｜原文：Bitcoin Miner IREN’s AI Push Gains Momentum, Price Target Hiked 60% to $37: Canaccord
