- 優先株のリターンは銘柄ごとに異なり、STRFは31%上昇、STRKは19%上昇、STRCは8%上昇、STRDは6%下落した。一方で、ストラテジーの普通株はビットコインの純資産価値に対して1.60倍で取引されている。
- ストラテジーは63万2457BTCを保有しており、年初来のアメリカ全体のIPO発行額の12%を占めている。他にもブリッシュやサークルといった注目企業が上場している。
マイクロストラテジー(Microstrategy)から社名変更したストラテジー(Strategy)は、STRK、STRF、STRD、STRCというティッカーシンボルで一連の優先株を発行し、2025年にアメリカ資本市場の形を変えた。
ストラテジーによれば、これらの株式の合計で今年に入ってから約56億ドル(約8120億円、1ドル145円換算)を調達し、アメリカのIPO(新規株式公開)発行額全体(優先株・普通株)の12%を占めている。この規模だけでも、投資家の投資意欲と、ビットコイン(BTC)の最も目立った代替投資先の企業としての同社の役割を強く示している。
優先株のパフォーマンスは銘柄ごとに異なり、発行以来のリターンはSTRFが31%でトップ、次いでSTRKが19%、STRCが8%となっている。一方STRDはマイナス6%と出遅れている。それでも、一連の資金調達手段によって、ストラテジーは自社のトレジャリー(財務)に資金を供給するための多様な基盤を有している。8月時点で同社は63万2457BTCを保有しており、企業としては世界最大のビットコイン保有量となっている。
同社の企業価値はビットコインNAV(純資産価値)に対して1.60倍。この比率は優先株と転換社債を含む企業価値を企業のビットコイン保有量で割って算出されるが、株価が7月の高値から25%以上下落したため、過去1カ月で低下している。
2025年に入ってから、ストラテジーの普通株が13%上昇しているのに対し、ビットコインは18%上昇している。この差は、同社のビットコインに対するレバレッジ効果と、市場による同社の債務および優先株の義務の価格設定の両方を浮き彫りにしている。
ストラテジーの大胆な一連の投資商品に加え、2025年にはブリッシュ(Bullish)やサークル(Circle)など他のアメリカのIPOも成功し、ストラテジー以外でも420億ドル(約6兆900億円)が調達された。これがリスク選好の再開と暗号資産(仮想通貨)に関連する資本市場におけるイノベーションという今年の特徴を強めている。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Strategy’s Preferred Shares Form a Bullish Circle Around Bitcoin


