- 第38週は、ビットコインにとって史上3番目にパフォーマンスの悪い週となり、平均2.25%の下落となった。
- ビットコインは季節的な弱さを見せているが、より広いスパンとなる月単位や四半期単位でのトレンドは依然として前向きだ。
- 金は暗号資産市場のパフォーマンスを上回っており、年初来の上昇を継続して上昇率は42%を超えた。
第38週は今年、ビットコイン(BTC)にとって史上3番目にパフォーマンスの悪い週となり、平均リターンは-2.25%だった。コイングラス(Coinglass)のデータによると、過去にこれよりパフォーマンスが悪かった週は、第28週(-2.78%)と第14週(-3.91%)のみだ。
今週、ビットコインはすでに2%近く下落し、11万3000ドル(約1639万円、1ドル145円換算)前後で取引されている。デリビット(Deribit)によると、9月の月間オプションの満期によって11万ドルのマックスペインレベルが示されており、これはさらなる下落を示唆する可能性がある。
マックスペインとは、オプション契約(コールとプット)のうち、最も多くのオプション契約が無価値で満期を迎える行使価格を指し、実質的にオプション購入者の損失を最大化するものだ。
さらに、市場の熱気は冷めている。ビットコインの永久先物契約の資金調達率(永久先物契約におけるレバレッジのかかったロングまたはショートのポジションを保有するための継続的なコストを測る指標)は年率4%に低下し、1カ月間の最低水準の一つとなっている。
低いプラスの資金調達率は、レバレッジのかかったロングのエクスポージャーに対する需要の減少を示唆しており、多くの場合、市場における投機的なフロス(小さな泡)が冷めたことを示す。
一方、将来の価格変動に対する市場の期待を反映するインプライド・ボラティリティ(IV)も37と過去最低水準に迫っている。
週足での下落にもかかわらず、ビットコインは依然として9月に4%上昇しており、四半期では6%上昇している。今年は約14週間残っており、その大半は歴史的にプラスのリターンを生み出してきたため、これは潜在的なボラティリティの前の落ち着きを表しているのかもしれない。
一方、金は目覚ましい上昇を続けており、23日にさらに1%上昇し、年初来では42%超上昇している。これはビットコインの痛手を緩和させ続けている。
ビットコインのセンチメントを圧迫するもう一つの要因は、IRENのような人工知能(AI)やハイパフォーマンスコンピューティング関連銘柄の大幅な上昇だ。こうした銘柄は短期的にはビットコインの魅力をいくらか奪った可能性がある。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Daniel Mirlea/Unsplash
|原文:Bitcoin Stumbles in Week 38, Its Third Worst Week on Average


