- サークル(Circle)社のトークン化された米国債ファンド「USYC」が、イーサリアム、ニア(Near)、ベース(Base)、カントン(Canton)ネットワークを超えて、ソラナ(Solana)でも利用可能になった。
- トークン化された国債市場は約80億ドルに成長し、ブロックチェーンレール上の現実資産(RWA)に対する機関投資家の関心に牽引され、1年間で3倍以上に拡大した。
- USYCの時価総額は6億3500万ドルで、トークン化された国債の中で5位にランクしている。
ステーブルコインのUSDコイン(USDC)で知られる暗号資産(仮想通貨)企業サークルは10月1日、トークン化された米国債ファンドの提供をソラナでも開始し、低コストの取引と迅速な決済時間で知られるソラナへと進出した。
この動きにより、USYCトークンはイーサリアム、ニア、ベース、カントンネットワーク、および計画されているBNBチェーン(BNB Chain)を超えて拡大する。
USYCは、短期米国政府マネーマーケットファンドをトークン化したものである。このファンドは、サークル社が手がける米ドル連動型ステーブルコインであるUSDCにリアルタイムで償還可能であり、KYC(顧客確認)チェックを通過した米国外の機関投資家のみが利用できる。
このため、USYCは、分散型金融(DeFi)で一般的に使用される他のトークンとは対照的に、パーミッション型の設計となっている。
より広範なトークン化された国債市場は、最近爆発的な成長を遂げており、RWA.xyzのデータによると、1年間で24億ドル(約3500億円、1ドル=147円換算)から現在の約80億ドルにまで膨れ上がっている。
この成長は、ブロックチェーンレール上の現実資産(RWA)、特に利回りをもたらす国債に対する機関投資家の関心の高まりを反映している。これらは、レンディングや信用取引の担保として、あるいは他の利回り生成戦略のための構成要素として、ますます使用されている。
RWA.xyzのデータによると、USYCは6億3500万ドルの時価総額を誇り、5番目に大きなトークン化された国債ファンドである。
ソラナへの統合は、USYCをデリバティブ取引の証拠金担保として使用することや、ソラナベースの分散型金融プラットフォームで利回りをもたらす資産として使用することを含む、新しいユースケースの可能性を加える。
ただし、USYCは、プロトコル側が適格性チェックとウォレットの許可リストを統合することを必要とするため、多くのアプリケーションにとっては、対応するためにさらなる開発が必要となるハードルがある。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Sandali Handagama/ CoinDesk(CoinDeskが加工)
|原文:Circle Expands $635M Tokenized Treasury Fund to Solana Amid Rapid RWA Growth


