- ニューヨーク証券取引所の親会社は、暗号資産を活用した予測市場であるポリマーケットに20億ドル(約3040億円、1ドル152円換算)を投資する見込みで、これにより同プラットフォームの評価額は最大100億ドル(約1兆5200億円)に達する。
- この投資は、ポリマーケットの米国市場への再参入を後押しする可能性がある。
- ポリマーケットは、認可を受けた取引所と清算機関の買収、著名な投資家やアドバイザーの招聘など、関係と信頼性の強化を進めてきた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE:Intercontinental Exchange)は、暗号資産(仮想通貨)を活用した予測市場であるポリマーケット(Polymarket)に20億ドル(約3040億円)を投資する予定だ。
ポリマーケットのシェイン・コプラン(Shayne Coplan)CEOがXで正式に認めたこの取引により、同プラットフォームの評価額は90億ドル(約1兆3680億円)となる。ICEの投資は、ポリマーケットが米国市場に再参入しようとする取り組みに、規制面での信頼性を与える可能性がある。
「ICEとの提携は、予測市場を金融の主流に組み込むための大きな一歩だ」とコプラン氏は書いている。「ICEは創業者主導の取引所として唯一残っている企業であり、ICEのCEOであるジェフリー・スプレッチャー(Jeffrey Sprecher)氏はNYSEを含む自身の資産を活用し、トークン化という新たな金融時代の到来を告げることに全力を注いでいる」。
2020年に設立されたポリマーケットは、ユーザーが政治、経済、企業の業績、スポーツなどの将来のイベントに対して賭けを行うことができるプラットフォームだ。米国外では人気があるが、2022年に米商品先物取引委員会(CFTC)と和解して以来、米国ユーザーは利用できなくなっている。
米国再参入に向けた取り組み
ポリマーケットは今年初め、再参入を容易にするため、認可を受けた取引所と清算機関を買収。また、政治的なつながりも強化している。ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr.)氏が8月に同社の諮問委員会に加わり、同氏のベンチャー企業も投資家となった。
コプラン氏は投稿の中で、予測プラットフォームを設立する前から「真実を見つける方法がこれまで以上に重要になる時代に入りつつあり、ポリマーケットがその重要な役割を果たすことができると認識していた」と付け加えた。
「結局のところ、真実ほど価値のあるものはない。まだ発展途上のプロジェクトだが、これまで影響を与えられたことを光栄に思う」と同氏は述べた。
DeFiLlamaのデータによると、ポリマーケットの先月の取引高は15億ドル(約2280億円、1ドル152円換算)で、TVL(預かり資産)は1億6400万ドル(約249億3000万円)。TheTieのデータによれば、同社はこれまでにピーター・ティール(Peter Thiel)氏のベンチャーキャピタル企業、ファウンダーズ・ファンド(Founders Fund)を含む投資家から総額3億ドル(約456億円)の資金を調達している。
競合プラットフォームのカルシ(Kalshi)は過去数カ月で取引量が増加しており、夏には20億ドル(約3040億円)の評価額で1億8500万ドル(約281億2000万円)の資金を調達した。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:David Vives/Unsplash/Modified by CoinDesk
|原文:New York Stock Exchange Owner to Acquire $2B Stake in Polymarket


