- スクエアの新ツールにより、中小企業は初年度手数料無料でビットコイン決済を受け入れられる。
- 販売者は、日々のカード売上の一部を自動的にビットコインに変換し、スクエアのプラットフォーム内で管理できるようになった。
- ブロックは、消費者と企業の両方が利用するツールにビットコインを統合することで、ビットコインを日常的な通貨として位置づけることを目指している。
ブロック（Block）の決済サービス部門であるスクエア（Square）は8日、中小企業がビットコインをより簡単に利用できるようにするための新ツール群を発表した。これにより、販売者は暗号資産（仮想通貨）決済を受け入れ、従来の金融システムと並行してデジタル資産を管理できるようになる。
「スクエア・ビットコイン（Square Bitcoin）」と呼ばれるこのサービスには、3つの主要機能が含まれている。それは、ビットコイン決済、カード売上からのビットコイン自動変換、スクエアの販売者プラットフォームに組み込まれたネイティブのビットコインウォレットだ。販売者は初年度手数料無料でビットコイン決済を受け入れることができ、日々の売上の最大50%を自動的にビットコインに変換することもできる。これらのツールは、対象となる米国企業向けに提供され、ビットコイン決済は11月10日から導入される。
この発表は、より広範なトレンドを反映している。リリースで引用されたデータによると、米国における暗号資産決済は2024年から2026年の間に82%増加すると予想されている。だがこれまで、ビットコインへのアクセスは、主に投資家やテクノロジーに精通した個人に限られていた。スクエアの今回の動きは、そのアクセスを一般の人々に広げることを目的としている。
実際には、これらのツールによって地元のコーヒーショップは、顧客がスマートフォンのウォレットから支払うビットコインを受け入れ、その日の売上の半分を自動的にビットコインに変換し、在庫管理や給与管理に使用しているのと同じダッシュボードで全ての財務状況を確認できるようになる。スクエアによると、2024年に試験運用が開始されたこの変換機能の早期利用を通じて、すでに142BTCが蓄積されている。
参入障壁を下げるための取り組み
スクエアは、既存の決済および銀行エコシステムにビットコインを組み込むことで、中小企業の暗号資産エコノミーへの参入障壁を下げようとしている。これはまた、Cash Appなどの小売ツールから、BitkeyウォレットやProtoマイニング製品などのハードウェア事業まで、ブロックが長年にわたりビットコインに注力してきた取り組みの延長線上にあるものだ。
ブロックのビットコイン製品責任者、マイルズ・ズーター（Miles Suter）氏は、これらのツールは売り手が「販売機会を決して逃さない」よう支援することを目的としており、これまで手の届かなかった金融ツールへのアクセスも提供すると述べた。
「ビットコイン決済をカード決済と同じくらいシームレスなものにしていく」とズーター氏は声明で述べた。
｜翻訳・編集：廣瀬優香
｜画像：Shutterstock
｜原文：Square Launches Bitcoin Payment Tools for Small Businesses
