- ビットコインは12月のFRBによる利下げ期待の高まりを受け、9万ドルの水準を突破した。
- 上昇にもかかわらず、インフレ率は依然として高く、9万5000ドル台半ばを超えると抵抗に直面するとQCPキャピタルは予想。
ビットコイン(BTC)は、12月の米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ確率が急上昇したことでリスク選好センチメントが高まり、9万ドルを突破した。
だが、シンガポールに拠点を置くトレーディング会社のQCPキャピタル(QCP Capital)によると、インフレ率は依然として高く、マクロ経済環境は決して良好とは言えず、9万ドル台半ばを超えると抵抗に直面する可能性がある。
「9万ドル台半ばに近づくと供給が上値を抑えると予想しているが、8万ドルから8万2000ドルは引き続き重要なサポートゾーンとなるだろう」とQCPキャピタルの市場インサイトチームは27日、市場レポートで述べた。
同チームは、米国上場のビットコインETF(上場投資信託)への力強い資金流入はまだ見られず、ビットコイン保有企業ストラテジー(Strategy)の株価は損益分岐点に近づきつつあり、MSCIの上場廃止監視リストに掲載されたと説明した。
一方、暗号資産(仮想通貨)以外では、AI(人工知能)関連企業の信用力が不安定になり始めており、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドの拡大や、エヌビディア(NVIDIA)の売掛金や在庫の増加に対する不安が、このセクターの輝きを曇らせているとQCPキャピタルは指摘した。
2022年後半のChatGPTの登場以来、AIはビットコインを含むリスク資産全体の強気モメンタムを牽引する最大の原動力となっている。
QCPキャピタルの見解は、ビットコインが約8万ドルから9万1000ドル超へと調整的に上昇したのは、流動性の低下によるものだと指摘する他のアナリストらの見解と一致している。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin’s Ascent May Hit a Wall Around Mid-$90K: Trading Firm


