- マレーシア当局はドローンと警察を駆使し、約1万4000の違法なビットコインマイニングリグの閉鎖に取り組んでいる。
- 違法マイナーは2020年以降、国の電力網から11億ドル(約1705億円、1ドル155円換算)相当の電力を盗んだ。
- この取り締まりは、2018年から2024年の間に電力窃盗が300%増加したことを受けて行われている。
ブルームバーグの4日の報道によると、マレーシア当局はハイテクドローンと地上の警察を駆使した合同対策委員会を結成し、約1万4000の違法なビットコイン(BTC)マイニングリングの発見、閉鎖に取り組んでいる。
ドローンが建物の上空を飛行し、熱の痕跡を探知する一方、地上の警察は違法な電力使用を検知するセンサーで地域を調査する。近隣住民から奇妙な音がするとの苦情が頻繁に寄せられており、警察が暗号資産(仮想通貨)マイニングリグを発見することもある。
マレーシアの国営電力会社テナガ・ナショナル(TNB)は最近、2020年以降、違法な暗号資産マイナーが国の電力網から11億ドル(約1705億円)を盗んだと報告した。
「こうした活動を放置するリスクは、もはや窃盗の問題ではない」とエネルギー移行・水資源変革省の副大臣で、合同対策委員会の議長を務めるアクマル・ナスルッラー・モハメド・ナシル(Akmal Nasrullah Mohd Nasir)氏は述べた。「実際に施設を破壊する可能性すらある。これは我々のシステムへの脅威となる」。
この11億ドル(約1705億円)は、2023年のマレーシアの平均的な消費者が年間約1940ドル(約30万円)を食料に費やしたという米国農務省の統計に基づくと、マレーシアの56万7000人超の1年間の基本的な食料ニーズを賄うのに十分な額だ。また、ウタラマレーシア大学(University Utara Malaysia)の推算によると、同国の平均的な規模の世帯約37万3000世帯に1年間電力を供給するのに十分な額でもある。
マレーシア当局が取り締まりを発表するのは、今回が初めてではない。5月には、2018年から2024年末の間に電力窃盗件数が300%急増し、約2400の違法なビットコインマイニング事業が閉鎖された。
TNBは、米CoinDeskのコメント要請にすぐには応じなかった。
|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:Malaysia Forms Air and Ground Task Force to Shutdown 14,000 BTC Mining Rigs: Bloomberg


