- ビットコインは金曜以降、ドル指数の弱さにもかかわらず9万3000ドルから9万ドルを下回る水準まで下落した。
- ナスダックの下落を示唆する包み足は、今後のビットコインの下落リスクを示している。
- MOVE指数は米国債のボラティリティ再燃を示唆している。
ビットコイン(BTC)の3週間にわたる価格上昇は、ウォール街のハイテク株を中心とする指数であるナスダック(Nasdaq)が先週壁にぶつかり、今後の潜在的な問題を示唆したことから、反転の危険性が高まっている。
11月21日に8万ドルの安値をつけた後、BTCは9万ドルを上回る水準で着実に反発を続け、下降トレンド内の逆張り上昇チャネルにおいて高値・安値を更新してきた。
12月10日のアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の利下げの後にドル指数(DXY)が下落し、長期トレンド指標がBTCの勢いに強気の転換を示唆したことから、この回復は持続性があるように見えた。
しかし、これらは持続的な上昇を引き起こせなかった。代わりにBTCは12日に9万3000ドルから後退し、14日には8万8000ドル近くまで下落した後、記事執筆時点では8万9600ドル前後で安定している。
BTCは先週を長い上ヒゲを持つ弱気のローソク足で終了した。これは9万4000ドル超での反発を示し、小さな赤の本体と無視できるほどの短い下ヒゲを伴う。この古典的な反発パターンは、強気の勢いが衰え、高値圏で「上昇局面での売り」が優勢であることを示している。

このパターンは、ナスダックが11月の安値からの反発が停滞している状況と相まって、ビットコインが8万ドルに向けてさらに下落する懸念を高めている。
ナスダックは先週2%近く下落し、前週の上昇分を帳消しにする弱気の包み足を形成した。週足チャートで弱気のMACD(マックディー:移動平均収束拡散)ヒストグラムが示されていることも相まって、下落方向のボラティリティが発生する可能性を示唆している。両者の強い正の相関関係、特にウィンターミュート(Wintermute)が最近指摘したように、ナスダックの下落局面ではビットコインが下落幅を増幅させる傾向が強いことを考慮すると、この下落圧力がビットコインにも波及する恐れがある。

リスク資産の強気派にとってのもう一つの警告サインは、米国債の30日間のインプライド・ボラティリティ(IV)を測るMOVE指数だ。
MOVE指数は先週、逆ハンマーのローソク足を形成した。このローソク足パターンは、MOVEの場合のように長期の下落トレンド後に現れると、強気相場復活の初期兆候と見なされる。

つまり、MOVE指数は米国債のボラティリティ上昇を示す兆候として上昇する可能性がある。これは世界的な金融引き締めを招き、リスク資産の利益を抑制する傾向がある。歴史的に見て、ビットコインはMOVE指数と逆方向に動く傾向がある。
重要な水準
総合的に見て、ビットコインは上昇よりも逆トレンドチャネルから下抜けする可能性が高く、最近の安値である8万ドルを再び試す展開が予想される。
上値では、短期的な強気相場を取り戻すには9万4000ドルから9万5000ドルを突破する必要がある。ただし、9万6000ドルから10万ドルには50日単純移動平均線や一目均衡表の雲を含む強力な抵抗帯が待ち構えている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:BTC $80K Check-Back Risk Rises as Nasdaq Rebound Stalls


