エンジン(Enjin)、取引手数料の高騰に対応するソリューションを開発

ブロックチェーンゲームを手がけるエンジン(Enjin)は、ノン・ファンジブル・トークン(NFT)向けに2つの新たなソリューションを開発した。「ガス代」と呼ばれるイーサリアムの取引手数料の高騰にも対応できるという。

エンジンは3日のプレスリリースで、2つのソリューションである「JumpNet」と「Efinity」がNFT市場を再定義していくすると述べた。

取引手数料が高騰するなか、「イーサリアム・キラー」と呼ばれるイーサリアムの代替を目指すブロックチェーンが登場してきている。グラスノード(Glassnode)のデータによると、イーサリアムの平均取引手数料は、昨年3月からの1年間で約17倍になっている。

これはブロックチェーンゲームを手がけるエンジンのような企業にとって、収益化における問題となっている。

イーサリアムとのブリッジ「JumpNet」

JumpNetは、イーサリアムのスケーリング技術で、いわばイーサリアムのプライベートバージョンだ。PoA(プルーフ・オブ・オーソリティ:proof of authority)というコンセンサスアルゴリズムを備え、管理者が参加者を招待し、信頼された参加者のみがノードとして参加できる。

JumpNetは、2つのフェーズに分けて展開される。最初のフェーズでは、ユーザーは所有するエンジンコイン(ENJ)をイーサリアムからJumpNetに移動できるようになる。

そして、イーサリアムブロックチェーンを使わずに(=取引手数料を必要とせずに)、JumpNet上でエンジンが開発したイーサリアム互換規格「ERC-1155」を利用してNFTを発行、送受信、取引できるようになる。

「第2段階では、エンジンコインとすべてのERC-1155トークンについて、イーサリアムブロックチェーンとJumpNetの間でのシームレスなやりとりが可能になる。ユーザーはJumpNetでの無料取引を選択するか、イーサリアムブロックチェーンとEfinityでのトラストレスネス(信頼できる第三者を必要としないこと)を望むかを選択できるようになる」と開発会社サクセス(Success)のバイスプレジデント、サイモン・ケルトネゴロ(Simon Kertonegoro)氏は語った。

パブリックブロックチェーン「Efinity」

一方、開発中の「Efinity」は、エンジンのパブリックブロックチェーンになるようだ。

Efinityでは、クリエイターが複数のブロックチェーンに対応したトークンを発行し、他のブロックチェーンに移動できるようになるという。また、別のブロックチェーンのユーザーが自身のトークンをEfinityに移動できることも目指している。

「こうした技術により、開発者は、取引手数料による予測不可能なハードルを心配することなく、多くのユーザーに洗練された体験を提供できるようになる」とエンジンの最高技術責任者(CTO)、ウィテック・ラドムスキー(Witek Radomski)氏は述べた。

エンジンによると、JumpNetは4月6日の提供開始を予定している。Efinityは今年後半のローンチになるという。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Photo by Laura Rivera on Unsplash
|原文:Enjin to Tackle Soaring Gas Fees, Scaling With New Blockchain Products